ベビースケールの使い方と選び方|飲んだ量がひと目でわかる安心ガイド
「どれくらい飲めているかわからない…」「飲む量が少ない気がして不安」
そんな保護者の不安をやわらげるのがベビースケール(授乳スケール)です。
結論:ベビースケールは “飲んだ量の見える化” に最も効果的なツールで、ミルク拒否や飲みムラの早期発見に役立ちます。
特に次のような赤ちゃんに向いています。
ベビースケールは、授乳のストレスを減らすだけでなく、ミルク拒否を“早めに気づく”ための強力な助けになります。
💡 ベビースケールとは?どんな時に必要?
ベビースケールとは、授乳前後の体重差から飲んだ量(哺乳量)を正確に測定できる体重計のことです。
一般的には、1gの増減=約1mlのミルク摂取量として計算できます。
● 使用が特におすすめなケース
- 飲む量が極端に少ない日がある(→ 飲む量が少ない時の判断基準)
- 授乳時間が短く、途中でやめてしまう
- ミルクの量と体重変化の相性を知りたい
- 母乳とミルクの混合の割合を見直したい
- 体重増加が気になる(→ 体重が増えない時のチェックポイント)
「泣く=まだ飲みたい」「飲まない=もういらない」ではないため、数字で把握できる安心感は大きいです。
🍼 正しい使い方|ベビースケールは3ステップでOK
ベビースケールの使い方はとてもシンプルで、次の3ステップだけです。
① 授乳前に体重を測定する
赤ちゃんの服装は毎回そろえると精度が安定します。
- 肌着の厚さをそろえる
- おむつは授乳前に交換しておく
- できれば同じ時間帯に測る
授乳前の体重が誤差の元になるため、できるだけ同条件で測るのがポイントです。
② 授乳後に再度体重を測る
授乳が終わり、落ち着いたタイミングで再測定します。
泣いている状態や動きが激しいと誤差が出ます。
③ 体重差=哺乳量(飲んだミルク量)になる
以下の式で簡単に計算できます。
たとえば:
- 授乳前:5,600g
- 授乳後:5,650g
差:50g → 約50ml飲んだという意味になります。
※おしっこやウンチ分で多少誤差が出ることがありますが、日々の傾向を見るには十分です。
✨ ベビースケールのメリット|ミルク拒否の早期発見に役立つ
スケールを使う最大のメリットは、“飲めていない理由”にいち早く気づけることです。
● メリット① 飲みムラの傾向がわかる
「今日は飲めた」「今日は飲めない」が記録として残ると、赤ちゃんのリズムが見えてきます。
ちょっとした変化で飲みムラが出ることがあるため、早期発見に役立ちます。
→ 飲みムラとの付き合い方
● メリット② 哺乳瓶拒否の兆候に気づける
飲む量が急に減るのは、哺乳瓶が合っていないサインでもあります。
例:
数字で「飲めていない」と気づけば、次の対策がとても取りやすくなります。
● メリット③ 体重増加のチェックが正確
授乳量と体重増加は密接に関わっています。
特に:
- 小さめに生まれた赤ちゃん
- 体重増加がゆっくり
- 吐き戻しが多い
こうした赤ちゃんは、スケールがあると安心度がぐっと上がります。
● メリット④ 混合育児のバランス調整がしやすい
母乳とミルクの「どれくらい飲めているか」が把握できれば、混合育児がスムーズになります。
例えば:
- 母乳→ミルクの追加量を決めやすい
- 夜間だけミルクの量を増やしたい時に便利
- 母乳量が減ってきたかどうかの変化に気づきやすい
授乳の負担が大きく減るご家庭がとても多いです。
📌 ベビースケールの選び方|失敗しない3つの基準
ベビースケールは種類が多いため、次の3つを満たすものを選べば失敗しません。
- ① 1g単位で測れる精度があること
- ② 赤ちゃんが動いても測りやすい形状であること
- ③ “授乳前後の測定”がしやすい操作性であること
● ① 1g単位で測れる=授乳向けスケールの必須条件
体重差は数十グラムのことが多いため、1g単位で測れる精度は必須です。
家庭用の大人向け体重計では10g〜100g単位のものが多く、授乳量の測定には向きません。
● ② 赤ちゃんが動いても測りやすい形状
以下のような特徴があると使いやすいです。
- 計量台が広く、寝かせても安定する
- 滑り止めがついている
- 動いても数値が固定されるホールド機能がある
“軽く動くだけで数値が変わる”スケールはストレスの元になります。
● ③ 操作がシンプルで授乳時にも使いやすい
ミルクを準備しながらの測定になるため、片手でも扱える操作性が重要です。
例えば、
- 電源がワンタッチで入る
- 前回測定の値を保持してくれる
- ミルク記録アプリと連動できるモデル
こうした機能があると、忙しい授乳中でもスムーズに使えます。
🔍 人気のベビースケール比較表|用途別におすすめが分かる
ここでは、家庭で使いやすいベビースケールを「目的別」で比較します。
| 製品タイプ | 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ① ベビースケール(寝かせるタイプ) | 最も一般的。広い台で安定。 | 新生児〜1歳まで長く使える | やや大きめで保管場所が必要 |
| ② コンパクトスケール(小型) | 軽量で持ち運びしやすい | 省スペースで日常的に使いやすい | 寝返りが多い子は測りにくい |
| ③ 母乳量測定専用スケール | 1g単位で高精度。産院で使われるタイプ。 | 混合育児に最適・誤差が少ない | 価格が高め |
完ミ・混合育児なら「1g単位で測れるベビースケール」が最もコスパが良いです。
🕒 いつ測ればいい?|測定のタイミングと頻度
ベビースケールは「毎回測る必要はありません」。
むしろ、次のように1日1〜3回で十分です。
● 基本:1日1回(朝または夜)
毎日の変化や飲みムラを把握しやすいタイミングです。
● ミルク拒否がある時:1日2〜3回
- 途中で泣いて飲めない
- 哺乳瓶だけ拒否するようになった
- 体重増加が気になる
こうした時期だけ測定回数を増やすと、原因に気づきやすくなります。
(→ ミルク拒否の原因一覧)
● 新生児期:必要な時だけ
新生児〜1ヶ月は飲む量が少なく個人差が大きいため、心配な日は測る、普段は測らない程度でOKです。
📓 記録方法|飲んだ量の“見える化”でミルク拒否が分かる
測っただけで終わりにせず、簡単に記録しておくとさらに役立ちます。
おすすめは次の2つ。
① スマホアプリ(授乳記録アプリ)
メリット:
- 量・時間・睡眠の関係が分かる
- グラフで飲みムラが見える
- パートナーと共有できる
② 紙の記録表
メリット:
- 一覧で比較しやすい
- 授乳間隔や飲む量の癖に気づける
記録は「細かく書きすぎない」ことが継続のポイントです。
ザックリでも十分意味があります。
🍼 飲めていない時に気づけるサイン|ベビースケールが役立つ場面
ベビースケールは、次のような「ミルク拒否のサイン」を早期に発見できます。
量の変化に早めに気づくことで、次のような対策がすばやく取れます。
- 乳首サイズを変える(→ 乳首サイズの選び方)
- 哺乳瓶そのものを変える(→ 哺乳瓶を変えたら飲んだ理由)
- 温度や姿勢を見直す(→ 飲みやすい角度)
ミルク拒否は、原因が複合的なことが多いため、数字で見えることは大きな武器になります。
❓ よくある質問(Q&A)
Q1. 1回の授乳でどれくらい飲めていれば安心?
→ 月齢によって目安は異なります。
こちらの記事が参考になります:
月齢別ミルク量まとめ
Q2. スケールの誤差が気になる…
→ おむつの状態や動きでの誤差は数ml程度。
1日の傾向を見る目的なら問題ありません。
Q3. 測りすぎてストレスになりませんか?
→ 毎回測る必要はありません。
心配な日だけ記録する“ゆるい使い方”で十分です。
📘 まとめ|ベビースケールは「育児の安心」をつくるツール
ベビースケールは、ミルク拒否や飲みムラを抱えるご家庭にとって、
赤ちゃんの飲めている量を正確に知るための心強い味方です。
ポイントをおさらいすると:
- 1g単位で測れるスケールを選ぶ
- 授乳前後を同条件で測る
- 毎回でなく、気になる時だけでOK
- 記録すると飲みムラやミルク拒否に気づきやすい
ミルクを飲まない理由は、赤ちゃんの成長・環境・乳首・哺乳瓶の相性などさまざま。
スケールは原因をひも解く手がかりになるため、「持っていて損のない育児ツール」の一つです。
🩺【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より
ベビースケールは、不安を抱えやすい授乳期のご家庭にとって、安心材料になりやすいアイテムです。特に飲む量が安定しない時期には、記録があるだけで次の一手を考えやすくなります。
🌸 ミルク拒否に悩むパパ・ママへ
毎日の授乳、本当におつかれさまです。「ちゃんと飲めているかな…」という不安は、どのご家庭にもあります。ベビースケールは、あなたの安心のために使うもの。不安が少しでも軽くなるなら、それだけで十分価値がありますよ。
この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
👉 目次:ミルク拒否ガイド【保存版】
🩺この記事の執筆・監修者
📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母
📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父
※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。


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