哺乳瓶で泣くときの考えられる原因

哺乳瓶で泣くときの考えられる原因|ミルク拒否・哺乳瓶拒否の理由と今すぐできる対策

結論:哺乳瓶で泣く理由は「哺乳瓶の問題」「赤ちゃんの飲み方の問題」「授乳環境の問題」の3つに大きく分かれます。

泣きながら飲む、哺乳瓶を見ると顔をそむける、飲み始めは飲むけど途中で泣く…。
こうした哺乳瓶拒否は、0〜12ヶ月の赤ちゃんではとてもよくある現象です。

ただし、原因を正しく理解すれば、今日からできる対策で大きく改善するケースがたくさんあります。
この記事では以下の状態になれることを目指します。

  • 哺乳瓶で泣く原因を体系的に理解できる
  • ミルク拒否・哺乳瓶拒否の理由が明確になる
  • 今日からできる対策がわかる
  • 不安が軽くなり、行動しやすくなる

必要に応じて医学的根拠に触れつつ、やさしい文章でまとめています。


  1. 哺乳瓶で泣く原因は大きく3つ
  2. ① 哺乳瓶・乳首が原因で泣くケース
    1. (1)乳首サイズが月齢と合っていない
    2. (2)乳首が硬すぎる or 柔らかすぎる
    3. (3)形状が口に合っていない(丸形/スリーカット/細長いなど)
    4. (4)ミルクの勢いが強すぎる/弱すぎる
  3. ② 飲み方・発達による「泣く」ケース
    1. (1)途中で泣く(飲み始めは飲むのに)
    2. (2)遊び飲みが増える(月齢による発達)
    3. (3)空腹じゃない(タイミングが合っていない)
  4. ③ 授乳環境が原因で泣くケース
    1. (1)匂い(洗剤/柔軟剤/ミルクの匂い)
    2. (2)抱き方が苦しい(角度のズレ)
    3. (3)温度(ミルクがぬるい・熱い)
  5. 哺乳瓶で泣くときの対策|今日からできる実践法
    1. ① 哺乳瓶・乳首を見直す(最優先)
    2. ② 授乳環境を落ち着かせる(刺激のコントロール)
    3. ③ 飲ませ方の工夫(抱き方・ペース・飲み始め)
      1. ✔ 飲み始めは「浅すぎず深すぎない角度」で
      2. ✔ 最初の1分は「スイッチ入れ」を意識する
      3. ✔ 途中で泣く子は「休憩」を入れる
    4. ④ 「哺乳瓶を見ると泣く」場合の特別対策
  6. 受診を考える目安(まれだけど重要)
  7. まとめ|哺乳瓶で泣く理由は必ず見つけられ、改善できる
  8. 【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より
  9. ミルク拒否に悩むパパ・ママへ
    1. 🩺この記事の執筆・監修者

哺乳瓶で泣く原因は大きく3つ

PREP法で先に結論:
泣く理由の8割以上は「哺乳瓶の相性」「飲み方・口の動かし方」「授乳環境」のいずれかにあります。

まずは全体を整理するために、哺乳瓶拒否の原因を一覧にしました。

分類 具体例 特徴
① 哺乳瓶・乳首の問題 サイズが合わない/硬さが合わない/形状が苦手 泣きながらも「飲みたい気持ち」はある
② 飲み方・発達の問題 浅飲み/遊び飲み/途中で疲れる 月齢別の特徴が強く出る
③ 授乳環境の問題 匂い/光/姿勢/温度/刺激過多 環境を変えるだけで改善ことが多い

原因をより深く知りたい方は、ミルク拒否の原因一覧も参考になります。


① 哺乳瓶・乳首が原因で泣くケース

結論:哺乳瓶の相性は、赤ちゃんごとにまったく違います。
ほんの少しの違い(流量・硬さ・形)で飲めなくなることは珍しくありません。

(1)乳首サイズが月齢と合っていない

哺乳瓶で泣く原因の中でも特に多いのが、乳首サイズの不一致です。

  • サイズが大きい → 勢いが強くてむせる → 泣く
  • サイズが小さい → 出にくくて疲れる → 泣く

乳首サイズの見直しはこちらが参考になります → 月齢別乳首サイズの選び方

(2)乳首が硬すぎる or 柔らかすぎる

赤ちゃんには「飲み心地の好み」があり、乳首の硬さが合わないだけで泣くことがあります。

  • 硬い乳首 → 開通しにくい → 泣きやすい
  • 柔らかい乳首 → つぶれて飲めない → 泣きやすい

特に「飲み始めに泣く」場合は硬さの問題が多いです。

(3)形状が口に合っていない(丸形/スリーカット/細長いなど)

「母乳に近い形」「深く吸う形」「ペースを自分で調整できる形」など、乳首の形状はさまざまです。

形が合っていないと:

  • 浅飲みになる
  • 空気を飲みやすくなる
  • すぐ疲れて泣く

形状が合わない場合はこちらも参考に → 哺乳瓶を変えたら飲んだ理由

(4)ミルクの勢いが強すぎる/弱すぎる

勢いが強すぎる → むせて泣く
勢いが弱い → 出なくてイライラして泣く

月齢別の傾向はこちら → 月齢別ミルク量の目安


② 飲み方・発達による「泣く」ケース

哺乳瓶で泣く原因の中で、実は最も多いのが「発達の変化」です。

月齢が上がるにつれて、飲み方・興味・集中力が激しく変化するため、ミルク拒否が突然起こることがよくあります。

(1)途中で泣く(飲み始めは飲むのに)

これは以下の理由が多いです:

  • 疲れて休憩が必要
  • 勢いが強くてむせる
  • 途中から遊び飲みモードになる
  • ゲップが溜まって苦しい

詳しくはこちら → 飲み始めは飲むのに途中で泣く理由

(2)遊び飲みが増える(月齢による発達)

特に3〜4ヶ月頃から:

  • 周囲に注意が向く
  • 視覚刺激に反応する
  • 気分にムラが出てくる

遊び飲み対策は月齢別の記事が参考になります:

(3)空腹じゃない(タイミングが合っていない)

「そもそもお腹が減っていない」というのも大きな原因。

空腹サインはこちらで解説 → 空腹じゃないときの見分け方


③ 授乳環境が原因で泣くケース

赤ちゃんは環境刺激にとても敏感です。

光・音・匂い・温度・抱き方の角度のどれかが合わないだけで泣くことがあります。

特に次の環境要因はミルク拒否の大きな原因になります。

(1)匂い(洗剤/柔軟剤/ミルクの匂い)

赤ちゃんは匂いに敏感で、哺乳瓶の匂いが苦手だと泣いて拒否します。

(2)抱き方が苦しい(角度のズレ)

角度が合っていないと:

  • 飲みにくい
  • 空気を飲みやすい
  • 苦しくて泣く

飲みやすい角度はこちら → 飲みやすくなる抱き方・角度

(3)温度(ミルクがぬるい・熱い)

赤ちゃんは温度に非常に敏感です。
特に哺乳瓶拒否が出ている時は、38〜40℃のやや高めが飲みやすいことがあります。

温度調整はこちら → ミルクの温度調整テクニック


哺乳瓶で泣くときの対策|今日からできる実践法

結論:対策は「哺乳瓶の見直し」「授乳環境の調整」「飲ませ方の工夫」の3本柱で考えると改善しやすいです。

① 哺乳瓶・乳首を見直す(最優先)

哺乳瓶で泣く多くのケースは、哺乳瓶や乳首の相性が合っていないことが原因です。

特に確認すべきは次の5つ。

  • 乳首サイズ(月齢)
  • 形状(丸穴/スリーカット/細長いなど)
  • 硬さ(柔らかい・硬め)
  • 流量(出すぎる/出にくい)
  • 使用しているミルクの温度

哺乳瓶の特徴を比較するならこちら → ミルク拒否におすすめの哺乳瓶比較

哺乳瓶を変えるだけで劇的に改善するケースは非常に多いです。理由はこちらにまとめています → 哺乳瓶を変えたら飲んだ理由


② 授乳環境を落ち着かせる(刺激のコントロール)

赤ちゃんは視覚・嗅覚・聴覚にとても敏感です。
特に3〜4ヶ月以降は周囲の刺激で集中力がすぐに途切れ、哺乳瓶を見ただけで泣いてしまうこともあります。

環境改善のチェックリスト

  • 部屋の照明を暗めにする
  • テレビ・スマホ・音を切る
  • 匂いの強い柔軟剤を避ける
  • なるべく静かな部屋で授乳する
  • 暑すぎず寒すぎず快適な温度にする

授乳環境の整え方はこちら → 授乳環境(匂い・姿勢・温度)の影響


③ 飲ませ方の工夫(抱き方・ペース・飲み始め)

飲ませ方に少し工夫を加えるだけで、泣きが減ることはとても多いです。

✔ 飲み始めは「浅すぎず深すぎない角度」で

角度が合わないと、赤ちゃんは苦しくて泣いてしまいます。

  • 45度前後の角度で始める
  • 顎が詰まらないように支える
  • 下唇が軽く外側にめくれると飲みやすい

詳しくはこちら → 飲みやすくなる抱き方・角度

✔ 最初の1分は「スイッチ入れ」を意識する

  • 乳首にミルクを数滴つける
  • 軽く乳首を口に触れさせる
  • 哺乳瓶をやや立て気味にする

✔ 途中で泣く子は「休憩」を入れる

泣き始めたら無理に続けず、縦抱きで休憩 → 再開で飲めることが多いです。

途中泣きの原因はこちら → 飲み始めは飲むのに途中で泣く理由


④ 「哺乳瓶を見ると泣く」場合の特別対策

哺乳瓶を視界に入れただけで泣いてしまう場合:

  • 哺乳瓶を見せずに横からそっと口へ誘導する
  • 授乳姿勢だけ先につくり、後から哺乳瓶を口へ
  • 遊んでいる時に触らせて“慣れ”を作る
  • 別の部屋で授乳してみる

お腹が空いていない場合もあるため、こちらも参考に → 空腹じゃないときの見分け方


受診を考える目安(まれだけど重要)

哺乳瓶で泣くのは多くの場合「自然なゆらぎ」ですが、次の症状がある場合は医療機関に相談してください。

  • 体重が増えない・減っている
  • 明らかに飲む量が減っている
  • 強いむせ・青ざめがある
  • 泣きすぎてぐったりしてしまう
  • 高熱・嘔吐・下痢など他の症状を伴う

体重が気になる方はこちら → 体重が増えない時のチェックポイント

症状によって受診すべき科はこちら → ミルク拒否のときは何科を受診すべき?


まとめ|哺乳瓶で泣く理由は必ず見つけられ、改善できる

哺乳瓶で泣くのは「哺乳瓶」「飲み方」「授乳環境」のいずれかに原因があります。

  • 乳首サイズや形が合わない
  • 勢いが強い/弱い
  • 途中で疲れる・ゲップが溜まる
  • 環境刺激が強い(光・音・匂い)
  • 発達による遊び飲み

これらを整理していくことで、ほとんどの赤ちゃんで改善が見られます。

焦らなくて大丈夫。
あなたと赤ちゃんに合った方法は必ず見つかります。


【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より

哺乳瓶で泣く赤ちゃんは産科でも非常に多く、乳首サイズ・硬さ・角度を少し変えるだけで落ち着くケースが少なくありません。「泣く=問題」ではないため、まずは環境と哺乳瓶の見直しから始めてみてくださいね。「泣かれるとつらい」「どうしてもうまくいかない」と感じるのは自然なことです。哺乳場面でのストレスは保護者のメンタルに大きく影響します。原因を理解して一つずつ対処していくことで、親子ともに安心して授乳に向き合えるようになります。


ミルク拒否に悩むパパ・ママへ

哺乳瓶で泣くのは、赤ちゃんが“飲み方を練習している途中”のサインでもあります。うまくいかない日があっても、あなたの関わりは確実に赤ちゃんの安心につながっていますよ。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。

▶︎目次:ミルク拒否ガイド【保存版】|原因・対策・哺乳瓶選び・月齢別サポートまとめ

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母

           

📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

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