月齢別乳首(ニプル)サイズの選び方|ミルク拒否を防ぐための完全ガイド
「赤ちゃんがミルクを飲まない」「哺乳瓶を嫌がる」「途中で泣く」──その原因のひとつに乳首(ニプル)サイズの不一致があります。結論から言うと、月齢だけでサイズを選ぶのは不十分で、赤ちゃんの飲むスピードや吸う力に合わせることが最重要です。
この記事では、月齢別の目安だけでなく、実際に赤ちゃんに合う乳首サイズを判断するチェックポイント・失敗例・切り替え時期の見極めをわかりやすく解説します。
内部リンクとして、関連の深いミルク拒否の原因一覧や哺乳瓶で泣く理由、また飲みムラが強い場合に役立つ飲みムラの対処法も併せて参考にしてみてください。
- 【結論】月齢は「目安」。最終判断は赤ちゃんの飲む様子で決める
- 月齢別の乳首(ニプル)サイズの基本早見表
- 【重要】乳首サイズが合っていないときのサイン
- 乳首サイズが「合っている」状態のチェックリスト
- 月齢より大切な「飲むスピード」でサイズを選ぶ理由
- 【比較】乳首形状・硬さ・穴のタイプで変わる飲みやすさ
- 乳首サイズの切り替えタイミング|迷ったら試すべき3つのポイント
- 【メーカー別】乳首サイズの違いと特徴
- 【よくある質問】こんなときどの乳首にすべき?
- サイズ選びを間違えると起こる「ミルク拒否」の典型例
- 乳首サイズ選びに迷ったときの「判断フロー」
- 【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より
- ミルクに悩む育児中のパパ・ママへ
【結論】月齢は「目安」。最終判断は赤ちゃんの飲む様子で決める
最初に大切なポイントをまとめます。
- 乳首サイズは月齢ではなく「吸う力と飲み方」で決める
- 合わない乳首を使うとミルク拒否・途中泣き・むせる・疲れて寝落ちが起こりやすい
- 母乳育児と混合育児では、選ぶべき乳首が変わることもある
- サイズアップではなく形状・硬さ・穴のタイプを変えると飲むことも多い
特に混合育児の赤ちゃんは、母乳とのギャップが原因で飲まないことがあり、混合育児でミルク拒否が起こる理由の記事と合わせると理解が深まります。
月齢別の乳首(ニプル)サイズの基本早見表
| 月齢の目安 | 一般的なサイズ | よくある飲み方の特徴 |
|---|---|---|
| 新生児〜1ヶ月 | SS / 新生児用 | 吸う力が弱い、ゆっくり飲む。むせやすい。 |
| 1〜2ヶ月 | S | 吸う力が少し安定。飲む量にムラがある時期。 |
| 2〜3ヶ月 | M | 途中で泣く・遊び飲みが出やすい時期。 |
| 3〜6ヶ月 | M〜L | 飲むスピードに個人差が大きい。 |
| 6ヶ月以降 | L / 速乳タイプ | 離乳食の影響でミルク量が変動。 |
ただし、この表はあくまで「目安」です。次の章で本当に合っているか判断する具体的チェックポイントを紹介します。
【重要】乳首サイズが合っていないときのサイン
乳首が合っていない赤ちゃんには、次のようなサインが現れやすくなります。
▶ サイズが小さい場合(穴が小さい)
- 飲むのに時間がかかる(30分以上)
- 吸ってもミルクが出にくいため、怒って泣く
- 吸い疲れて途中で寝てしまう
- 飲んだ量が少なく、体重増加が緩やか
これは、空腹でないときの拒否とも似ているので、飲まない原因の切り分けにも役立ちます。
▶ サイズが大きい場合(穴が大きい)
- 勢いが強くてむせる
- だらだら口からこぼれる
- 飲むのが早すぎる(5〜10分で終了)
- 哺乳瓶を見ると嫌がる
特にむせる場合は、哺乳瓶で泣く理由と症状が重なるため注意が必要です。
乳首サイズが「合っている」状態のチェックリスト
次の項目に複数当てはまれば、今のサイズはおおむね合っています。
- 10〜20分でスムーズに飲める
- むせることがほとんどない
- 途中で泣かずに最後まで飲める
- 飲んだあと満足している様子(眠ったり機嫌が良い)
- 飲みムラがあっても極端に拒否はしない
もし当てはまらない項目が多い場合は、哺乳瓶拒否の克服方法や、月齢別の適量の記事も合わせて確認するとより精度高く対応できます。
月齢より大切な「飲むスピード」でサイズを選ぶ理由
乳首サイズは“月齢ではなく飲むスピード”で選ぶべきです。理由は以下の通りです。
- 吸う力には個人差が大きい
- 母乳とミルクで吸い方が違う
- 月齢が上がっても小さい穴を好む赤ちゃんもいる
- 逆に低月齢でも大型サイズのほうが合うケースがある
特に混合育児のケースでは、母乳とのバランスが原因で乳首サイズが一致しないことが多く、母乳とのバランスによる拒否として有名です。
【比較】乳首形状・硬さ・穴のタイプで変わる飲みやすさ
乳首はサイズだけでなく、以下の3つの要素で飲みやすさが大きく変わります。
1. 形状(丸穴・スリーカット・クロスカット)
- 丸穴:ミルクの出方が安定しやすい
- スリーカット:吸う力で流量が変化しやすく、母乳に近い
- クロスカット:勢いが強く、むせやすい場合も
2. 硬さ(柔らかい・普通・硬め)
- 柔らかい → 母乳に近く吸いやすい
- 硬め → ミルクの出方が安定しやすく、飲みすぎ防止になることも
飲みムラがある赤ちゃんには、飲みムラ向け哺乳瓶が役立つ場合も多いです。
3. 穴の大きさ
同じ「S」でもメーカーにより流量は全く違います。
「メーカーを変えたら飲んだ」というのはこの差が原因です。
乳首サイズの切り替えタイミング|迷ったら試すべき3つのポイント
乳首サイズの切り替えは、赤ちゃんのサインを見て判断するのがベストです。以下の状態が見られたら、サイズ変更の検討をおすすめします。
① 今のサイズで「怒る」「泣く」「飲むのが遅い」
吸っているのにミルクが出てこず、怒って泣くようなら穴が小さい可能性が高いです。
② むせる・こぼれる量が多い
勢いが強すぎて飲みづらいときは、穴が大きい(サイズが大きすぎる)場合があります。
③ 飲む時間が極端に長い or 短い
- 長い(30分以上):→ サイズが小さい/硬さが合わない
- 短い(5分以内):→ サイズが大きい/勢いが強すぎる
サイズ変更は、同じメーカーのサイズアップだけではなく、
- 穴の形状を変える
- 硬さを変える
- 他メーカーに変える
といった方法で改善することも多いです。
【メーカー別】乳首サイズの違いと特徴
乳首はメーカーによって流量が大きく異なるため、変えたら突然飲むようになる赤ちゃんも多いです。
ピジョン(母乳実感・母乳相談室)
- 日本で最もポピュラー
- 母乳実感は母乳に近い吸い方を再現
- 母乳相談室はやや吸いごたえがあり、混合育児向け
母乳育児が中心の家庭では、母乳実感と母乳相談室の違いの記事も参考になります。
NUK(ヌーク)
- おちょぼ口の形で母乳に近い
- 勢いが控えめでむせにくい
ドクターベッタ
- 角度つきで空気を飲みにくい
- 飲む姿勢をサポートしたい家庭向け
チュチュベビー
- 柔らかい素材で吸いやすい
- 低月齢の赤ちゃんに合いやすい
メーカーごとに「同じSサイズでもまったく違う」ため、違うメーカーの乳首を1つ試すだけでも劇的に変わることがあります。
【よくある質問】こんなときどの乳首にすべき?
▶ むせる・勢いが強い → 穴の小さいもの or スリーカットへ
勢いが弱まると飲みやすくなり、拒否が減ることがあります。
▶ 時間がかかる → ひとつサイズアップ or 柔らかめの素材へ
吸い疲れによる途中泣きが改善するケースが多いです。
▶ 飲みムラがひどい → メーカー変更を検討
飲みムラ赤ちゃん向けの構造をもつ製品もあり、飲みムラ向け哺乳瓶が参考になります。
▶ 母乳は飲むのに哺乳瓶だけ嫌がる
乳首の形状が母乳と大きく違う可能性が高く、
- 柔らかい乳首
- スリーカット
- 母乳に近い伸び方をするタイプ
が合いやすいです。
これは哺乳瓶だけ嫌がる赤ちゃんの特徴と深く関連しています。
サイズ選びを間違えると起こる「ミルク拒否」の典型例
以下のようなエピソードはとても多く見られます。
● ケース①:Sサイズのまま3ヶ月を迎えてしまい拒否に
吸う力が強くなり、ミルクが出にくく「怒って泣く」状態に。
→ Mサイズに変更したらその日から飲むように。
● ケース②:大きいサイズにしたらむせて飲まない
流量が多すぎて赤ちゃんがびっくり。
→ 一段階小さいサイズに戻したらスムーズに飲めるように。
● ケース③:メーカー変更したら急に飲んだ
吸ったときの伸び方・硬さの違いで「飲みやすい」と感じた可能性。
→ これが“哺乳瓶を変えたら飲む”理由の大部分です。
乳首サイズ選びに迷ったときの「判断フロー」
次の順番でチェックすると、最短で赤ちゃんに合うサイズが見つかります。
- 飲む時間は適切(10〜20分以内)か?
- むせていないか?こぼれていないか?
- 途中で泣いたり怒ったりしていないか?
- 飲み終わり後の満足感は?
- メーカー・形状・硬さは適切か?
ここで複数当てはまらない場合は、乳首サイズの見直し+哺乳瓶の相性チェックが必要です。
【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より
乳首サイズが合っていないだけで、赤ちゃんはとてもストレスを感じます。小児科や産科でも「乳首変更だけで劇的に改善」するケースは非常に多いです。無理に飲ませず、赤ちゃんのペースを見ながら調整してあげてくださいね。
ミルクに悩む育児中のパパ・ママへ
授乳は毎日のことだからこそ、悩むとつらいもの。でも、赤ちゃんもママ・パパも少しずつ成長しています。焦らずゆっくりで大丈夫ですよ。今日の記事が、あなたと赤ちゃんの“飲めた!”に一歩近づくきっかけになりますように。
この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
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🩺この記事の執筆・監修者
📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母
📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父
※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。


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