飲み始めは飲むのに途中で泣く理由

飲み始めは飲むのに途中で泣く理由|授乳中に泣き出す赤ちゃんの原因と対処法

「最初はゴクゴク飲んでいたのに、急に泣き出して飲まなくなった…」
「途中で怒ったように泣いて哺乳瓶を押しのける」
そんな“途中で泣くミルク拒否”は、実は月齢を問わず非常によくある相談です。

結論から言うと、途中で泣く理由は「飲みにくさ・姿勢・ゲップ・疲れ・月齢特有の発達」の5つが中心で、適切に対処すれば多くは改善できます。

この記事では、医学的な観点と育児現場の経験の両面から、途中で泣く理由と具体的な対処法をわかりやすくまとめました。

全体の原因を知りたい方は ミルク拒否の原因一覧 も参考になります。


🍼 結論:飲み始めは飲むのに途中で泣く赤ちゃんに多い“5つの理由”

まず最初に結論からお伝えします。途中で泣く赤ちゃんには次の5つがとても多く見られます。

  • ゲップが溜まって苦しい(胃内圧上昇)
  • 哺乳瓶の流量が合っていない(出すぎ・出なさすぎ)
  • 飲む姿勢・角度が不安定でしんどい
  • 月齢特有の集中力不足や遊び飲み
  • 母乳との飲み心地のギャップ(混合育児で多い)

意外に思われるかもしれませんが、途中で泣く原因の約半数は「ゲップ」に関係しています。
詳細は げっぷが出にくいときの対処法 も参考になります。


🍼 理由① ゲップが溜まって苦しくなる

途中で泣く最も多い理由です。ミルクを飲むとき赤ちゃんは空気も一緒に飲み込みます。
その空気が胃に溜まると、胃が膨らんで苦しくなり、泣き出します。

赤ちゃんの胃は大人より縦に短く、空気が溜まりやすい構造をしています。

よくあるサイン

  • 急に泣く・怒るように泣く
  • 体をのけぞる
  • 口からミルクを押し出す
  • 飲む量が毎回バラバラ

対策

  • 途中でこまめにゲップをさせる
  • 背中を軽くさすって空気を上げやすくする
  • 哺乳瓶の角度を調整し、空気を飲みにくい姿勢にする

ゲップ対処の詳細は げっぷが出にくいときの対処法 を参考にしてください。


🍼 理由② ミルクの出方が合っていない(出すぎ・出なさすぎ)

途中で泣く子は、哺乳瓶の流量が合っていないケースも非常に多いです。

状態 赤ちゃんの反応 理由
出すぎ むせる・しかめ顔・泣く 喉が追いつかない
出ない 怒るように泣く・哺乳瓶を押しのける 飲みたいのに飲めずフラストレーション

これはニプルのサイズ・硬さ・形状で大きく変わります。

ニプルに迷ったら
月齢別ニプルサイズの選び方
哺乳瓶だけ嫌がる赤ちゃんの特徴
などを参考にしてみてください。

出すぎの場合はワンサイズ下へ、
出ない場合はワンサイズ上が合うことが多いです。


🍼 理由③ 飲む姿勢や角度が安定していない

姿勢が合わないと赤ちゃんはとても飲みにくくなり、途中で泣いたり怒ったりします。

よくある姿勢の問題

  • 頭がグラグラしている
  • 体が反っている
  • 哺乳瓶が水平に近く空気を吸いやすい

特に泣きやすい赤ちゃんは、姿勢を整えるだけで飲み続けられることも多いです。

おすすめの姿勢や角度は
飲みやすくなる抱き方・角度
で詳しく紹介しています。


🍼 理由④ 月齢特有の「遊び飲み期」に入っている

特に生後3〜4ヶ月の赤ちゃんに多いのが、途中で泣いたり怒ったりする「遊び飲み期」です。

この時期は周囲の刺激に敏感で、次のような理由で泣くことがあります。

  • 視界に入るものに気がそれる
  • 音や匂いなど外的刺激を気にする
  • 飲むことに飽きる(好奇心の発達)

月齢ごとの特徴は以下の記事も参考になります:


🍼 理由⑤ 母乳とのギャップで混乱している(混合育児で多い)

混合育児中の赤ちゃんは、「飲み心地の差」が途中で泣く原因になります。

項目 母乳 哺乳瓶
ミルクの出方 個人差・変動あり 一定で速い場合あり
吸う力 強い吸引が必要 軽く吸っても出ることがある
日によって変動 常に一定

母乳との違いが大きいと、赤ちゃんは「なんか違う!」と途中で泣いてしまうことがあります。

詳しくは
母乳とのバランスで起こるミルク拒否
にも解説があります。

🍼 今日からできる!途中で泣く赤ちゃんへの具体的な対策

途中で泣く原因は複数が重なることも多いため、以下の対策を「できるもの」から少しずつ試してみてください。

① こまめにゲップをさせる(最重要)

途中で泣く原因の約半数はゲップ関係と言われています。
赤ちゃんの胃は空気が溜まりやすいため、以下のタイミングでゲップを促すと効果的です。

  • 飲み始めて1〜2分で一度ゲップをさせる
  • 泣き始めたら一度中断してゲップを試す
  • 姿勢を変えてゲップを促しやすくする

ゲップの具体的方法は
げっぷが出にくいときの対処法
にまとめています。


② ニプルのサイズ・硬さ・形状を見直す

途中で突然泣き出す赤ちゃんの多くは「ミルクの出方」が合っていません。

出すぎて泣くときの対策

  • ニプルをワンサイズ小さくする
  • 哺乳瓶の角度を調整してミルクの流れをゆるやかにする
  • 授乳姿勢を少し起こし気味にする

出なくて怒って泣くときの対策

  • ニプルサイズを1段階上げる
  • 硬いニプル → 柔らかいニプルに変更
  • ニプル孔が詰まっていないか確認する

ニプル選びに迷ったら
月齢別ニプルサイズの選び方

ニプルの硬さ・形状比較
が役立ちます。


③ 姿勢を整えて飲みやすくする

赤ちゃんは姿勢のわずかな差で飲みやすさが大きく変わります。特に途中で泣く場合は「しんどい姿勢」が原因になっていることが多いです。

おすすめの姿勢

  • 縦抱きで頭をしっかり支える
  • 背中~首までを授乳クッションで安定させる
  • 哺乳瓶の底を少し高くして空気が入りにくい角度にする

詳細な姿勢は
飲みやすくなる抱き方・角度
で写真イメージつきで紹介しています。


④ 授乳環境を整える(遊び飲みが多い時期に特に有効)

赤ちゃんは環境刺激に非常に敏感です。特に3〜4ヶ月は「遊び飲み期」に入るため、環境を整えると途中で泣く回数がぐっと減ります。

効果が高い環境調整

  • 部屋を少し暗くする
  • テレビやスマホをオフにする
  • 香水・柔軟剤の香りを控える
  • できるだけ毎回同じ場所で飲ませる

環境が原因の場合の詳細は
授乳環境(匂い・姿勢・温度)の影響
も参考にしてください。


⑤ ミルクの温度を一定に保つ

赤ちゃんは温度の変化に非常に敏感です。「途中で泣く」のは温度が少し下がったタイミングで起こることがあります。

おすすめの温度対策

  • 基本は40℃前後(ただし赤ちゃんの好みで微調整)
  • 途中で冷めたら少量のお湯を足して調整
  • 毎回の温度を一定にする

温度調整のコツは
ミルクの温度調整テクニック
に詳しくまとめています。


⑥ 飲む量の目安を見直す

途中で泣くのは「もう十分飲んだサイン」の場合もあります。
量の目安を少し調整するだけでスムーズに飲めることも多いです。

月齢ごとの量は
【月齢別ミルク量】目安まとめ
に詳しくあります。


🍼 チェックリスト|途中で泣くときの見直しポイント10

途中で泣く原因が分からないときは、以下10項目を順番に見返すのが最も早いです。

  1. ゲップが溜まっていないか
  2. ニプルサイズが適切か
  3. 出すぎ/出なさすぎになっていないか
  4. 抱っこの姿勢が安定しているか
  5. 哺乳瓶の角度は適切か
  6. ミルクの温度が一定か
  7. 周囲の刺激が強すぎないか
  8. 月齢特有の遊び飲み期ではないか
  9. 空腹すぎたり眠すぎたりしないか
  10. 母乳と哺乳瓶の差が大きすぎないか

🍼 医療的に相談すべきサイン

途中で泣くことのほとんどは正常範囲ですが、まれに医療相談が必要なケースもあります。

  • むせが多い・呼吸が苦しそう
  • 明らかに飲む量が減り続ける
  • 体重が増えない・減る
  • 発熱・下痢・湿疹がある
  • 1週間以上改善しない

受診の判断は
ミルク拒否で受診すべき症状
も参考になります。


🍼 まとめ:途中で泣くのは「理由があるサイン」。改善は十分可能

途中で泣く赤ちゃんには、必ず何らかの理由があります。
多くは「ゲップ」「流量」「姿勢」「刺激」「月齢の発達」という自然な要因です。

原因が分かれば、対応できることはたくさんあります。焦らず、できることから一つずつ試してみてくださいね。


🍼 育児中のあなたへ

赤ちゃんが途中で泣くと不安になると思いますが、それはあなたのせいではありません。
毎回の授乳は、あなたと赤ちゃんが少しずつ慣れていく時間です。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母

           

📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

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