げっぷが出にくいときの対処法

げっぷが出にくいときの対処法

赤ちゃんがミルクを飲んだ後にげっぷが出ないと、むせたり泣いたり、途中で飲むのを嫌がる「ミルク拒否」「哺乳瓶拒否」につながることがあります。結論としては、げっぷが出にくいときは“姿勢・時間・空気量”の3つを見直すだけで、多くの赤ちゃんは改善します。

この記事では、なぜげっぷが出ないのか、月齢別に起こりやすい理由、すぐにできる姿勢の工夫、ミルク拒否につながるケースの見分け方まで、わかりやすく解説します。

途中で泣く・飲みたがらない場合は、関連する原因として
飲み始めは飲むのに途中で泣く理由
ミルク拒否の原因一覧 も参考になります。


  1. ✔ 結論
  2. なぜげっぷは必要なの?
  3. げっぷが出にくい原因
    1. ① 飲むスピードが速い・空気を飲み込みやすい
    2. ② 姿勢が合っていない(背中が丸い)
    3. ③ ミルクをため込みすぎている
    4. ④ 胃の位置が高く、個性で出にくい子もいる
    5. ⑤ 月齢によって必要性が変わる
  4. すぐにできるげっぷの出し方
    1. ① 縦抱きで背中をまっすぐにする
    2. ② 肩にかつぐ抱き方
    3. ③ 座らせて、背中をすっと伸ばす“おすわりげっぷ”
    4. ④ 少し休んでから再チャレンジする
    5. ⑤ 乳首を見直す(特に哺乳瓶拒否がある場合)
  5. げっぷが出なくても大丈夫なケース
  6. 月齢別|げっぷが出にくいときに起こりやすいトラブルと対処
    1. 【新生児〜1ヶ月】まだ飲み込みが未熟で空気が溜まりやすい
    2. 【2ヶ月】飲むスピードが変わる時期で飲みムラ増加
    3. 【3〜4ヶ月】姿勢が原因でげっぷが出にくくなることも
    4. 【5〜6ヶ月】離乳食開始で空気の飲み方が変わる
  7. 【チェックリスト】げっぷが出ない原因を簡単セルフ診断
  8. げっぷが出にくいときに試したい5つのテクニック
    1. ① “途中休憩” をあえて入れる
    2. ② 下から上へ背中を押し上げるようにさする
    3. ③ ミルクの温度をやや高めにする
    4. ④ 哺乳瓶を変えてみる
    5. ⑤ 飲ませ方を見直す
  9. げっぷが出なくて泣くときの対処法
  10. げっぷが出ないときに受診した方がよいの?
  11. まとめ
  12. 【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より
  13. 💬 育児に取り組むパパ・ママへ
    1. 🩺この記事の執筆・監修者

✔ 結論

げっぷが出にくい赤ちゃんは、「飲む姿勢」「空気の飲み込み」「ミルク量やスピード」が原因であることが多く、姿勢調整と抱き方を変えるだけで改善することがほとんどです。

特に以下のタイプはげっぷが出にくく、ミルク拒否につながりやすい傾向があります。

  • 飲むスピードが速い(空気を一緒に飲みやすい)
  • 背中が丸くなっている姿勢
  • 母乳→哺乳瓶に切り替えた直後
  • 2~4ヶ月の「飲みムラ」が多い時期

まずは姿勢と抱き方を工夫し、無理に長時間げっぷをさせようとしないことが大切です。


なぜげっぷは必要なの?

赤ちゃんは大人より飲み込みが未熟で、ミルクと一緒に空気を多く取り込みます。この空気が胃に溜まると、

  • ミルクが逆流しやすくなる(吐き戻し)
  • 飲んでいる途中に苦しくなって泣く
  • 不快で「哺乳瓶拒否」につながる

というトラブルを起こすため、げっぷを出してあげることが大切です。

特に、授乳環境(匂い・姿勢・温度)の影響 が強い子は、姿勢が変わるだけでげっぷの出やすさも変わります。


げっぷが出にくい原因

赤ちゃんによって理由はさまざまですが、代表的な原因は次の5つです。

① 飲むスピードが速い・空気を飲み込みやすい

特に母乳との混合育児の場合、哺乳瓶の乳首のサイズや硬さが合わず、空気をたくさん飲み込みやすくなります。

関連ページ:
月齢別乳首サイズの選び方
飲みムラがある赤ちゃん向け哺乳瓶

② 姿勢が合っていない(背中が丸い)

背中が丸くなる姿勢は、胃の出口が圧迫され、空気が上に抜けにくくなります。

③ ミルクをため込みすぎている

特に生後2ヶ月頃は飲みムラが増え、空気とミルクを一緒に飲むため、げっぷが出にくくなります。
【2ヶ月】急にミルクを飲まなくなる原因

④ 胃の位置が高く、個性で出にくい子もいる

赤ちゃんの体のつくりは個人差が大きく、出にくい子は本当に出ません。10~15分頑張っても出ない場合は一度休んでも問題ありません。

⑤ 月齢によって必要性が変わる

生後4~5ヶ月になると、胃と食道の筋肉が発達して空気が勝手に抜けるため、「げっぷが自然に出る」子が増えます。
【4ヶ月】哺乳瓶拒否が増える理由と対策


すぐにできるげっぷの出し方

① 縦抱きで背中をまっすぐにする

最も成功率が高い方法です。ポイントは「軽く反り気味に、背骨をまっすぐにする」こと。

  • 胸のあたりを軽く支える
  • あごが上がりすぎないよう調整
  • 背中をさすらず、トントンより“下から上に押し上げる”イメージ

② 肩にかつぐ抱き方

肩に乗せることで自然と胃が下になり、空気が通りやすくなります。

③ 座らせて、背中をすっと伸ばす“おすわりげっぷ”

首すわり前でもできます。片手で頭を支えながら、もう片方で背中を上下にさする方法です。

④ 少し休んでから再チャレンジする

飲ませてすぐに出なくても、3~5分置けば自然と上がりやすくなります。

⑤ 乳首を見直す(特に哺乳瓶拒否がある場合)

飲み口が早すぎる/硬すぎる/空気抜きがうまく働いていないと、げっぷが出ない→泣く→飲まない悪循環になります。

参考:母乳実感と母乳相談室の違い


げっぷが出なくても大丈夫なケース

医学的には、“毎回必ずげっぷを出す必要はない” とされています。特に次のような場合は、無理にげっぷをさせなくても問題ありません。

  • 月齢4〜6ヶ月で、自然に空気が抜けるようになっている
  • 飲んだ後も機嫌がよく、苦しそうにしない
  • 寝かせてもむせたり吐いたりしない

逆に、次のようなときは調整が必要です。

  • 飲んだ後すぐ泣いて苦しそう
  • 飲むたび大量に吐き戻す
  • 姿勢を変えると落ち着く

こういった場合は、授乳姿勢の工夫が効果的です。
飲みやすくなる抱き方・角度

月齢別|げっぷが出にくいときに起こりやすいトラブルと対処

げっぷの出やすさは月齢によって変わります。ここでは、月齢ごとの特徴と注意点をまとめます。

【新生児〜1ヶ月】まだ飲み込みが未熟で空気が溜まりやすい

新生児は食道と胃の筋力が弱く、空気が漏れにくいため「げっぷが出ない」ことがとても多い時期です。授乳中にこまめに休憩を入れると改善しやすくなります。

関連ページ:
【新生児〜1ヶ月】ミルクがうまく飲めない原因

【2ヶ月】飲むスピードが変わる時期で飲みムラ増加

2ヶ月頃は飲む量が急に増えたり減ったりする「飲みムラ」の時期です。空気を多く飲み込んで途中で泣くこともあり、哺乳瓶拒否に見えることがあります。

【2ヶ月】急にミルクを飲まなくなる原因

【3〜4ヶ月】姿勢が原因でげっぷが出にくくなることも

首がしっかりしてくる一方で、哺乳姿勢が固定化され「背中が丸い飲み方」が癖になっているケースがあります。姿勢を整えると飲みやすくなります。

関連:
哺乳瓶だけ嫌がる赤ちゃんの特徴

【5〜6ヶ月】離乳食開始で空気の飲み方が変わる

スプーンへの興味が出る時期で、哺乳リズムが変わりやすく、げっぷが出たり出なかったりムラが出やすい時期です。「必ず出さないといけない時期」ではなくなります。

【5〜6ヶ月】離乳食開始後のミルク拒否


【チェックリスト】げっぷが出ない原因を簡単セルフ診断

当てはまる項目が多いほど、「姿勢」や「乳首サイズ」などを見直すと改善しやすいタイプです。

  • 飲むときに「ピチャピチャ」音がする
  • 哺乳瓶の口からミルクが垂れやすい
  • 途中でむせることがある
  • げっぷが出ないと泣くことが多い
  • 飲むスピードが速く、すぐに疲れてしまう
  • 授乳後に背中を丸めて抱く癖がある
  • 母乳→哺乳瓶に切り替えたばかり
  • 月齢2〜4ヶ月で飲みムラが多い

げっぷが出にくいときに試したい5つのテクニック

① “途中休憩” をあえて入れる

飲んでいる途中に5〜10mlだけ飲んだ時点で休ませると、空気が上に上がりやすくなり、結果的に飲みやすくなります。

② 下から上へ背中を押し上げるようにさする

トントンが合わない赤ちゃんも多く、「さする」だけのほうが出やすいケースがあります。

③ ミルクの温度をやや高めにする

飲むスピードが安定し、空気の飲み込みが少なくなることがあります。
ミルクの温度調整テクニック

④ 哺乳瓶を変えてみる

乳首の空気抜きがうまく働かない哺乳瓶は空気を飲み込みやすく、げっぷトラブルの原因になります。

関連:
ミルク拒否におすすめの哺乳瓶比較

⑤ 飲ませ方を見直す

体がねじれた姿勢や、上を向きすぎた姿勢はミルクが逆流しやすくなります。姿勢は「お腹と胸をまっすぐ」が基本です。
飲ませ方のコツと姿勢調整


げっぷが出なくて泣くときの対処法

飲んでいる途中で泣く場合は、げっぷだけでなく「飲みやすさ」にも問題があることが多いです。

  • 乳首サイズが大きすぎる(早すぎる)
  • 哺乳瓶の角度が合っていない
  • 温度が低くて飲みづらい
  • 空腹ではないタイミングで飲ませている

これらが原因の場合はげっぷよりも「飲み方・環境」に注目するほうが改善しやすいです。

参考:
空腹じゃないときの見分け方


げっぷが出ないときに受診した方がよいの?

げっぷは医学的には「必須ではない」ものの、以下の症状がある場合は小児科で相談しましょう。

  • 体重増加が明らかに少ない
  • ほとんどの授乳で大量に吐く
  • 飲むたびに苦しそうで泣く
  • 授乳後に青ざめる・顔色が悪い
  • むせる、咳き込むことが多い

関連ページ:
体重が増えない時のチェックポイント
ミルク拒否で受診すべき症状


まとめ

げっぷが出にくいときは、「姿勢」「飲むスピード」「空気量」を整えるだけで大きく改善することが多いです。

また、げっぷが出なくても機嫌よく飲めていれば問題ないこともあります。赤ちゃんの個性を見ながら、気楽に調整していきましょう。

さらにミルク拒否が疑われる場合や、途中で泣くことが多い場合は、関連する記事も参考にしながら原因を整理してみると分かりやすくなります。

ミルク拒否ガイド【保存版】


【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より

産婦人科病棟での経験から
げっぷが出ない赤ちゃんは本当に多いのですが、姿勢や抱き方を少し変えるだけでぐっと出やすくなることがほとんどです。10〜15分も頑張る必要はなく、休みながらゆっくり調整すれば大丈夫です。げっぷそのものは必須ではありませんが、空気を多く飲む子は吐き戻しや不快感につながり、結果的に授乳が難しくなることがあります。機嫌や体重の増え方を見ながら、「必要なときだけ無理なく出す」スタンスが安心です。


💬 育児に取り組むパパ・ママへ

赤ちゃんのげっぷはその日の機嫌や姿勢で驚くほど変わります。うまくいかない日があって当たり前。ひとつずつ慣れていけば、必ずあなたの方法が見つかります。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
→ 目次:ミルク拒否ガイド【保存版】

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母

           

📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

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