月齢別のミルク適量まとめ|飲む量の目安と調整ポイントをわかりやすく解説
赤ちゃんのミルク量は「月齢ごとの目安」がありますが、実際にはその通りにいかないことも多く、不安になる方は非常に多いです。
結論として、ミルク量は “月齢の目安+その子の飲みムラ” を合わせて考えるのが最も正確です。赤ちゃんごとに必要量は異なり、日によって変動するのも正常な成長の一部です。
本記事では、0〜12ヶ月の「月齢別ミルク量の目安」「調整のポイント」「飲まない時のチェックリスト」をまとめています。ミルク拒否や哺乳瓶拒否がある場合の対応にも役立つ内容です。
ミルク拒否全体の原因は以下の記事で詳しく整理しています。
→ 目次:ミルク拒否ガイド【保存版】
月齢別ミルク量一覧(まずここだけ押さえればOK)
赤ちゃんの成長曲線に基づき、一般的なミルクの目安は以下の通りです。
| 月齢 | 1回量の目安 | 回数の目安 | 1日の総量目安 |
|---|---|---|---|
| 0〜1ヶ月 | 80〜120ml | 7〜8回 | 600〜900ml |
| 2ヶ月 | 120〜160ml | 6〜7回 | 700〜900ml |
| 3ヶ月 | 140〜180ml | 5〜6回 | 700〜900ml |
| 4ヶ月 | 160〜200ml | 5〜6回 | 700〜900ml |
| 5〜6ヶ月 | 160〜220ml | 4〜5回 | 700〜900ml |
| 7〜9ヶ月 | 150〜200ml | 3〜4回 | 500〜800ml |
| 10〜12ヶ月 | 100〜140ml | 2〜3回 | 300〜500ml |
※上記はミルクのみの場合(完ミ)の目安です。
混合育児の場合はこの限りではなく、飲まない・飲みムラがあって当然です。
飲まない時に悩んでしまった場合はこちらも参考になります。
→ 月齢別ミルク量の目安まとめ
ミルク量の目安はあくまで「平均」。個性の幅は大きい
月齢別の目安はあくまで統計的な平均値です。
実際の育児では、以下のように幅があって当然です。
- 1回量が少ないが回数でカバーするタイプ
- たくさん飲むが回数が少ないタイプ
- 日によってムラがあるタイプ
- 3〜4ヶ月で急に飲む量が減るタイプ
特に飲みムラについては以下が参考になります。
→ 飲みムラとの付き合い方
月齢ごとに起こりやすい「飲まない」原因と調整ポイント
月齢によって「飲む量が減る原因」は異なります。目安どおりに飲まなくても、発育に問題がないことの方が圧倒的に多いです。
【0〜1ヶ月】飲む量が急に増えたり減ったりする時期
新生児期は胃の容量が小さく、ミルクを一定量飲むことがまだ得意ではありません。
調整ポイント:
- 1回量よりも「回数」を優先してよい
- 飲む量が少ない日は無理に増やさない
- 授乳間隔が短い日は疲れて飲めないことも
【2ヶ月】急に飲まなくなることがある代表的な月齢
消化機能が整い、飲むペースが変わり始めるため「昨日は飲んだのに今日は飲まない」が起こりやすい時期です。
【3ヶ月】遊び飲みや周囲の刺激で飲まない
3ヶ月頃は外の世界に興味が出てくるため、刺激に気を取られて飲む量が減ることがあります。
調整ポイント:
- 静かな環境で授乳する
- 照明を落とす
- 最初の一口をゆっくりスタート
【4ヶ月】乳首サイズ・形状の影響が大きい
「流量が合っていない」ことで飲む量が落ちるケースが急増します。
【5〜6ヶ月】離乳食開始により飲む量が安定しにくい
離乳食の量・時間帯・眠気などさまざまな要因でムラが出ます。
調整ポイント:
- 離乳食直前・直後の授乳を避ける
- 眠い時は飲まないため無理にあげない
- 1回量は少なくてもOK
量が減っても心配しなくてよいケース
ミルク量は常に右肩上がりではありません。減ったとしても「問題のない自然な変化」であるケースも多くあります。
① 活動量が増えてリズムが変わっただけ
月齢が上がるほど遊び・睡眠リズムが安定し、ミルクに対する集中度が変わります。
② 日ごとの気分による差
赤ちゃんは大人以上に気分で行動が変わります。飲みムラは成長の証です。
③ 回数が増えて結果的に総量は足りている
1回量が少なくても総量を見れば十分なことは多いです。
飲む量が少ないか判断したい場合はこちら。
→ 飲む量が少ないときの判断基準
【チェックリスト】ミルク量が心配なときに確認すること
以下の項目を確認することで、過度に不安にならずにすみます。
- 機嫌は悪くないか?
- おしっこの回数は普段通りか?(5〜6回以上)
- 体重は数日〜数週間で少しずつ増えているか?
- 飲む量が減ったのは一時的か?
- 授乳間隔が変わっていないか?
- 離乳食や遊びの影響でペースが変わっていないか?
体重増加については以下の記事も参考になります。
→ 体重が増えない時のチェックポイント
授乳間隔とミルク量の関係
ミルク量は授乳間隔とも密接に関係しています。
間隔が短すぎても長すぎても飲む量が不安定になります。
関連ページ:
→ 授乳間隔の目安と調整の仕方
飲む量が少ないときの実践的な対処法
赤ちゃんが月齢の目安より少なめに飲む日は珍しくありません。以下の方法は、多くの家庭で「飲める量」をやさしく引き出すために有効です。
① 授乳前に少し落ち着く時間をつくる
赤ちゃんは切り替えが苦手です。授乳前の30〜60秒の「静かな抱っこ」は、ミルク拒否や哺乳瓶拒否の改善にも非常に効果があります。
② 最初の一口をゆっくりスタートする
最初の勢いで飲みたくなくなることがあります。哺乳瓶を寝かせ気味にして、乳首の先端に少しだけミルクを満たした状態から始めるとスムーズです。
関連ページ:
→ 飲み始めてすぐ泣くときの対処法
③ 月齢に合った乳首サイズを使う
流量が合っていないと飲む量が安定しません。
④ 環境を静かにする
テレビ・スマホの音・明るい照明など、刺激が多いと集中できません。特に3〜4ヶ月以降は環境の影響が強くなります。
⑤ 眠い・空腹すぎるタイミングを避ける
眠気と深い空腹はどちらも「飲みづらさ」につながります。
逆に「飲ませすぎ」に注意したいケース
育児では「飲まない不安」が先に立ちますが、実は飲ませすぎによるトラブル(吐き戻し・腹痛・不機嫌)も多くあります。
以下のようなサインがある場合は、量が多い可能性があります。
- 毎回のように大量に吐く
- 授乳後に強い腹痛で泣く
- 授乳間隔が極端に短い
- 飲んだ後に苦しそうにする
月齢別|総量の増減が気になるときのポイント
赤ちゃんの総量が「昨日より少ない」「数日続けて減っている」と心配になることは多いです。しかし、実際には発達上の自然な波であることがほとんどです。
【0〜3ヶ月】増減しやすいのが普通
胃の成長ペースが速く、飲める日と飲めない日の差が大きくなります。
【4〜6ヶ月】離乳食や遊び飲みによる変動
刺激に弱い月齢なので、環境調整が特に重要になります。
【7〜12ヶ月】総量は自然に減少していく
離乳食の量が増えると、ミルク量は減って当然です。低月齢の時ほど気にしなくて大丈夫です。
飲まない日が続くときに見直したいポイント
数日〜1週間以上飲む量が安定しない場合は、以下を再確認してみてください。
① 授乳間隔が月齢に合っているか
短すぎ・長すぎはどちらも飲めなくなります。
② 哺乳瓶の角度・姿勢が一定か
姿勢が崩れると飲み込みが難しくなります。
③ ミルクの温度にブレがないか
温度差は拒否の最も多い原因のひとつです。
④ 月齢に合わないサイズのニプルを使っていないか
流量が強すぎるとむせて飲めず、弱すぎても疲れて途中でやめることがあります。
⑤ 飲み始めの刺激が強すぎないか
勢いが強いと飲みたくなくなります。
受診を検討するべき症状
ミルクの量が少なくても、以下の症状がなければ多くの場合は様子見で問題ありません。
以下の場合は受診を検討してください
- おしっこが1日4回未満になる
- 体重が明らかに増えない期間が続く
- 飲むたびにむせる、咳き込む
- ぐったりしている・顔色が悪い
- 強い拒否が数日以上続く
まとめ|ミルク量は「目安+その子のリズム」で考えるのが最適
月齢別のミルク量はあくまで目安であり、実際の量は赤ちゃんごとに大きく異なります。
飲む量が少なくても、多くの場合は発達による一時的な変化であり問題ありません。
一方で、環境や乳首サイズなど「飲みづらさ」が原因であることもあるため、困ったときは小さな工夫を積み重ねるだけでも改善していきます。
総合的なミルク拒否対策を知りたい場合はこちらもおすすめです。
→ ミルク拒否ガイド【保存版】
【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より
飲む量は消化機能・睡眠リズム・活動量・刺激など多くの要因で変化します。量だけに注目するより、「機嫌」「尿量」「体重」の3つで総合的に判断することが、医学的にも最も現実的で安全な方法です。ミルク量は「その日ごとのばらつき」があって当たり前です。成長曲線がゆっくりでも右肩上がりであれば、多くの場合、問題はありません。月齢ごとの目安に縛られすぎず、赤ちゃんの表情や生活リズムを大切にしてくださいね。
💬 育児に取り組むパパ・ママへ
毎日の授乳、本当におつかれさまです。ミルク量は大人が思うよりずっとゆらぎのあるもので、心配しすぎる必要はありません。あなたの丁寧な関わりは、赤ちゃんの安心につながっていますよ。
この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
→ 目次:ミルク拒否ガイド【保存版】
🩺この記事の執筆・監修者
📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母
📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父
※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。


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