月齢別のミルク適量まとめ

月齢別のミルク適量まとめ|飲む量の目安と調整ポイントをわかりやすく解説

赤ちゃんのミルク量は「月齢ごとの目安」がありますが、実際にはその通りにいかないことも多く、不安になる方は非常に多いです。

結論として、ミルク量は “月齢の目安+その子の飲みムラ” を合わせて考えるのが最も正確です。赤ちゃんごとに必要量は異なり、日によって変動するのも正常な成長の一部です。

本記事では、0〜12ヶ月の「月齢別ミルク量の目安」「調整のポイント」「飲まない時のチェックリスト」をまとめています。ミルク拒否や哺乳瓶拒否がある場合の対応にも役立つ内容です。

ミルク拒否全体の原因は以下の記事で詳しく整理しています。
→ 目次:ミルク拒否ガイド【保存版】


  1. 月齢別ミルク量一覧(まずここだけ押さえればOK)
  2. ミルク量の目安はあくまで「平均」。個性の幅は大きい
  3. 月齢ごとに起こりやすい「飲まない」原因と調整ポイント
    1. 【0〜1ヶ月】飲む量が急に増えたり減ったりする時期
    2. 【2ヶ月】急に飲まなくなることがある代表的な月齢
    3. 【3ヶ月】遊び飲みや周囲の刺激で飲まない
    4. 【4ヶ月】乳首サイズ・形状の影響が大きい
    5. 【5〜6ヶ月】離乳食開始により飲む量が安定しにくい
  4. 量が減っても心配しなくてよいケース
    1. ① 活動量が増えてリズムが変わっただけ
    2. ② 日ごとの気分による差
    3. ③ 回数が増えて結果的に総量は足りている
  5. 【チェックリスト】ミルク量が心配なときに確認すること
  6. 授乳間隔とミルク量の関係
  7. 飲む量が少ないときの実践的な対処法
    1. ① 授乳前に少し落ち着く時間をつくる
    2. ② 最初の一口をゆっくりスタートする
    3. ③ 月齢に合った乳首サイズを使う
    4. ④ 環境を静かにする
    5. ⑤ 眠い・空腹すぎるタイミングを避ける
  8. 逆に「飲ませすぎ」に注意したいケース
  9. 月齢別|総量の増減が気になるときのポイント
    1. 【0〜3ヶ月】増減しやすいのが普通
    2. 【4〜6ヶ月】離乳食や遊び飲みによる変動
    3. 【7〜12ヶ月】総量は自然に減少していく
  10. 飲まない日が続くときに見直したいポイント
    1. ① 授乳間隔が月齢に合っているか
    2. ② 哺乳瓶の角度・姿勢が一定か
    3. ③ ミルクの温度にブレがないか
    4. ④ 月齢に合わないサイズのニプルを使っていないか
    5. ⑤ 飲み始めの刺激が強すぎないか
  11. 受診を検討するべき症状
    1. 以下の場合は受診を検討してください
  12. まとめ|ミルク量は「目安+その子のリズム」で考えるのが最適
  13. 【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より
  14. 💬 育児に取り組むパパ・ママへ
    1. 🩺この記事の執筆・監修者

月齢別ミルク量一覧(まずここだけ押さえればOK)

赤ちゃんの成長曲線に基づき、一般的なミルクの目安は以下の通りです。

月齢 1回量の目安 回数の目安 1日の総量目安
0〜1ヶ月 80〜120ml 7〜8回 600〜900ml
2ヶ月 120〜160ml 6〜7回 700〜900ml
3ヶ月 140〜180ml 5〜6回 700〜900ml
4ヶ月 160〜200ml 5〜6回 700〜900ml
5〜6ヶ月 160〜220ml 4〜5回 700〜900ml
7〜9ヶ月 150〜200ml 3〜4回 500〜800ml
10〜12ヶ月 100〜140ml 2〜3回 300〜500ml

※上記はミルクのみの場合(完ミ)の目安です。
混合育児の場合はこの限りではなく、飲まない・飲みムラがあって当然です。

飲まない時に悩んでしまった場合はこちらも参考になります。
月齢別ミルク量の目安まとめ


ミルク量の目安はあくまで「平均」。個性の幅は大きい

月齢別の目安はあくまで統計的な平均値です。
実際の育児では、以下のように幅があって当然です。

  • 1回量が少ないが回数でカバーするタイプ
  • たくさん飲むが回数が少ないタイプ
  • 日によってムラがあるタイプ
  • 3〜4ヶ月で急に飲む量が減るタイプ

特に飲みムラについては以下が参考になります。
飲みムラとの付き合い方


月齢ごとに起こりやすい「飲まない」原因と調整ポイント

月齢によって「飲む量が減る原因」は異なります。目安どおりに飲まなくても、発育に問題がないことの方が圧倒的に多いです。

【0〜1ヶ月】飲む量が急に増えたり減ったりする時期

新生児期は胃の容量が小さく、ミルクを一定量飲むことがまだ得意ではありません。

調整ポイント:

  • 1回量よりも「回数」を優先してよい
  • 飲む量が少ない日は無理に増やさない
  • 授乳間隔が短い日は疲れて飲めないことも

【新生児〜1ヶ月】ミルクがうまく飲めない原因

【2ヶ月】急に飲まなくなることがある代表的な月齢

消化機能が整い、飲むペースが変わり始めるため「昨日は飲んだのに今日は飲まない」が起こりやすい時期です。

【2ヶ月】急にミルクを飲まなくなる原因と対策

【3ヶ月】遊び飲みや周囲の刺激で飲まない

3ヶ月頃は外の世界に興味が出てくるため、刺激に気を取られて飲む量が減ることがあります。

調整ポイント:

  • 静かな環境で授乳する
  • 照明を落とす
  • 最初の一口をゆっくりスタート

【3ヶ月】遊び飲み・途中で泣く際の対処

【4ヶ月】乳首サイズ・形状の影響が大きい

「流量が合っていない」ことで飲む量が落ちるケースが急増します。

【4ヶ月】哺乳瓶拒否が増える理由と対策

【5〜6ヶ月】離乳食開始により飲む量が安定しにくい

離乳食の量・時間帯・眠気などさまざまな要因でムラが出ます。

調整ポイント:

  • 離乳食直前・直後の授乳を避ける
  • 眠い時は飲まないため無理にあげない
  • 1回量は少なくてもOK

【5〜6ヶ月】離乳食開始後のミルク拒否と対処


量が減っても心配しなくてよいケース

ミルク量は常に右肩上がりではありません。減ったとしても「問題のない自然な変化」であるケースも多くあります。

① 活動量が増えてリズムが変わっただけ

月齢が上がるほど遊び・睡眠リズムが安定し、ミルクに対する集中度が変わります。

② 日ごとの気分による差

赤ちゃんは大人以上に気分で行動が変わります。飲みムラは成長の証です。

③ 回数が増えて結果的に総量は足りている

1回量が少なくても総量を見れば十分なことは多いです。

飲む量が少ないか判断したい場合はこちら。
飲む量が少ないときの判断基準


【チェックリスト】ミルク量が心配なときに確認すること

以下の項目を確認することで、過度に不安にならずにすみます。

  • 機嫌は悪くないか?
  • おしっこの回数は普段通りか?(5〜6回以上)
  • 体重は数日〜数週間で少しずつ増えているか?
  • 飲む量が減ったのは一時的か?
  • 授乳間隔が変わっていないか?
  • 離乳食や遊びの影響でペースが変わっていないか?

体重増加については以下の記事も参考になります。
体重が増えない時のチェックポイント


授乳間隔とミルク量の関係

ミルク量は授乳間隔とも密接に関係しています。
間隔が短すぎても長すぎても飲む量が不安定になります。

関連ページ:
授乳間隔の目安と調整の仕方


飲む量が少ないときの実践的な対処法

赤ちゃんが月齢の目安より少なめに飲む日は珍しくありません。以下の方法は、多くの家庭で「飲める量」をやさしく引き出すために有効です。

① 授乳前に少し落ち着く時間をつくる

赤ちゃんは切り替えが苦手です。授乳前の30〜60秒の「静かな抱っこ」は、ミルク拒否や哺乳瓶拒否の改善にも非常に効果があります。

② 最初の一口をゆっくりスタートする

最初の勢いで飲みたくなくなることがあります。哺乳瓶を寝かせ気味にして、乳首の先端に少しだけミルクを満たした状態から始めるとスムーズです。

関連ページ:
飲み始めてすぐ泣くときの対処法

③ 月齢に合った乳首サイズを使う

流量が合っていないと飲む量が安定しません。

月齢別乳首サイズの選び方

④ 環境を静かにする

テレビ・スマホの音・明るい照明など、刺激が多いと集中できません。特に3〜4ヶ月以降は環境の影響が強くなります。

授乳環境(匂い・姿勢・温度)の影響

⑤ 眠い・空腹すぎるタイミングを避ける

眠気と深い空腹はどちらも「飲みづらさ」につながります。

空腹じゃないときの見分け方


逆に「飲ませすぎ」に注意したいケース

育児では「飲まない不安」が先に立ちますが、実は飲ませすぎによるトラブル(吐き戻し・腹痛・不機嫌)も多くあります。

以下のようなサインがある場合は、量が多い可能性があります。

  • 毎回のように大量に吐く
  • 授乳後に強い腹痛で泣く
  • 授乳間隔が極端に短い
  • 飲んだ後に苦しそうにする

飲ませすぎの判断基準


月齢別|総量の増減が気になるときのポイント

赤ちゃんの総量が「昨日より少ない」「数日続けて減っている」と心配になることは多いです。しかし、実際には発達上の自然な波であることがほとんどです。

【0〜3ヶ月】増減しやすいのが普通

胃の成長ペースが速く、飲める日と飲めない日の差が大きくなります。

【4〜6ヶ月】離乳食や遊び飲みによる変動

刺激に弱い月齢なので、環境調整が特に重要になります。

【7〜12ヶ月】総量は自然に減少していく

離乳食の量が増えると、ミルク量は減って当然です。低月齢の時ほど気にしなくて大丈夫です。


飲まない日が続くときに見直したいポイント

数日〜1週間以上飲む量が安定しない場合は、以下を再確認してみてください。

① 授乳間隔が月齢に合っているか

短すぎ・長すぎはどちらも飲めなくなります。

授乳間隔の目安と調整の仕方

② 哺乳瓶の角度・姿勢が一定か

姿勢が崩れると飲み込みが難しくなります。

飲みやすくなる抱き方・角度

③ ミルクの温度にブレがないか

温度差は拒否の最も多い原因のひとつです。

④ 月齢に合わないサイズのニプルを使っていないか

流量が強すぎるとむせて飲めず、弱すぎても疲れて途中でやめることがあります。

月齢別乳首サイズの選び方

⑤ 飲み始めの刺激が強すぎないか

勢いが強いと飲みたくなくなります。

飲み始めてすぐ泣くときの対処法


受診を検討するべき症状

ミルクの量が少なくても、以下の症状がなければ多くの場合は様子見で問題ありません。

以下の場合は受診を検討してください

  • おしっこが1日4回未満になる
  • 体重が明らかに増えない期間が続く
  • 飲むたびにむせる、咳き込む
  • ぐったりしている・顔色が悪い
  • 強い拒否が数日以上続く

ミルク拒否で受診すべき症状

体重が増えない時のチェックポイント


まとめ|ミルク量は「目安+その子のリズム」で考えるのが最適

月齢別のミルク量はあくまで目安であり、実際の量は赤ちゃんごとに大きく異なります。

飲む量が少なくても、多くの場合は発達による一時的な変化であり問題ありません。
一方で、環境や乳首サイズなど「飲みづらさ」が原因であることもあるため、困ったときは小さな工夫を積み重ねるだけでも改善していきます。

総合的なミルク拒否対策を知りたい場合はこちらもおすすめです。
ミルク拒否ガイド【保存版】


【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より

飲む量は消化機能・睡眠リズム・活動量・刺激など多くの要因で変化します。量だけに注目するより、「機嫌」「尿量」「体重」の3つで総合的に判断することが、医学的にも最も現実的で安全な方法です。ミルク量は「その日ごとのばらつき」があって当たり前です。成長曲線がゆっくりでも右肩上がりであれば、多くの場合、問題はありません。月齢ごとの目安に縛られすぎず、赤ちゃんの表情や生活リズムを大切にしてくださいね。


💬 育児に取り組むパパ・ママへ

毎日の授乳、本当におつかれさまです。ミルク量は大人が思うよりずっとゆらぎのあるもので、心配しすぎる必要はありません。あなたの丁寧な関わりは、赤ちゃんの安心につながっていますよ。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
→ 目次:ミルク拒否ガイド【保存版】

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母

           

📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

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