感情表現が増えるとミルク拒否が起こる理由|“気持ちの発達”と飲まない時期の見守り方

発達と授乳トラブル

感情表現が増えるとミルク拒否が起こる理由|“気持ちの発達”と飲まない時期の見守り方

結論から言うと、赤ちゃんの感情表現が増える時期にミルク拒否(哺乳瓶拒否・飲まない)が起こりやすいのは、「気持ちを伝える力」と「自分で決めたい気持ち(自我)」が育つ過程で、授乳が“感情のスイッチ”になりやすいからです。病気ではなく発達の一部として起こるケースも多いので、まずは焦って飲ませようとしすぎないことが大切です😊

この記事では、感情の発達とミルク拒否の関係、よくあるパターン、今日からできる対策、そして受診の目安まで、やさしく整理します。

この記事でわかること

  • 感情表現が増える時期に「飲まない」が起こる理由
  • ミルク拒否と哺乳瓶拒否の“発達由来”の見分け方
  • 赤ちゃんが落ち着いて飲みやすくなる具体策(環境・タイミング・声かけ)
  • 体重・尿量・機嫌から判断する「見守りOK」と「受診したい」サイン

感情表現が増える時期とは?いつ頃から起こる?

赤ちゃんは月齢が進むにつれて、泣く・怒る・嫌がる・笑うなどの感情表現がはっきりしていきます。とくに3〜8ヶ月ごろは、周囲への興味が強まり、同時に「嫌だ」「今は違う」という意思表示が増えやすい時期です。さらに9〜12ヶ月では、人見知りや分離不安が強くなり、授乳が揺れやすい子もいます。

時期(目安) 感情・行動の発達 授乳で起こりやすいこと
2〜3ヶ月 刺激に反応が増える/眠気や空腹の切り替えが不安定 飲みムラ、途中で泣く、飲みたい時と飲まない時の差が大きい
3〜5ヶ月 興味が外へ/「嫌」を泣きで伝えやすい 遊び飲み、キョロキョロして飲まない、哺乳瓶を押しのける
5〜8ヶ月 自我が芽生える/体の動きが活発 飲ませようとすると反り返る、集中できず短時間で終わる
9〜12ヶ月 人見知り・場所見知り・分離不安 環境が変わると飲まない、特定の人・姿勢だけ嫌がる

月齢の個人差は大きいですが、「最近よく怒る」「嫌な時に体で拒否する」「笑顔も増えた」など、感情の幅が広がるタイミングでミルク拒否が出やすいのは自然な流れです。

月齢別の傾向は、必要に応じてこちらも参考になります:
【3ヶ月】遊び飲み・途中で泣く際の対処
【4ヶ月】哺乳瓶拒否が増える理由と対策


感情表現が増えるとミルク拒否が起こる「6つの理由」

1)“嫌だ”を伝えられるようになり、授乳で意思表示しやすい

赤ちゃんは言葉の代わりに、泣く・顔を背ける・舌で押し出す・手で払うなどで意思表示します。授乳は毎日何度もあるため、「気持ちを伝える練習の場」になりやすいのです。飲みたくない時は、ミルク拒否として表に出ます。

2)刺激に敏感になり、気分が整わないと飲みにくい

成長すると、音・光・人の気配など周囲の刺激をより強く感じるようになります。結果として、少しの刺激で気分が崩れ、飲む前に泣く、途中で飲まない、哺乳瓶拒否になることがあります。
「授乳中に周りを見て飲まない」タイプが増えるのもこの流れです(関連記事:授乳中に周りを見て飲まない理由)。

3)自我が芽生え、「自分のペース」を崩されるのが苦手になる

抱っこされる角度、ミルクの出る速さ、口に入るタイミング。赤ちゃんにとっては全部が“体験”です。自我が育つと、少しのズレでも「違う!」となりやすく、拒否が強く見えることがあります。
特に「抱っこを嫌がる・反り返る」ケースは、感情の高ぶり+姿勢の相性が重なることが多いです(関連記事:抱っこを嫌がる・反り返るときの授乳拒否)。

4)眠気・空腹の“限界”を超えると、泣きが先に出てしまう

眠い・疲れた・お腹が空きすぎた時は、赤ちゃんは上手に切り替えができず、飲む前に大泣きしてしまうことがあります。すると吸い始めが難しくなり、結果として「ミルクを飲まない」状態に。
この場合は、空腹が強すぎないうちに、早めに整えるのがポイントです。眠気と絡む場合は(関連記事:眠気のタイミングでミルクを拒否する理由)も参考になります。

5)“遊び飲み”が増え、必要量を一気に飲まなくなる

発達で周囲が気になると、途中でやめる・少し飲んで休む・また飲む…というペースになり、結果として「飲まない」「飲みムラ」と感じやすくなります。これは必ずしも悪いことではなく、飲み方のスタイルが変わっているだけの場合もあります。
遊び飲みが強い場合は、(関連記事:遊び飲みが原因のミルク拒否)も合わせてどうぞ。

6)不安(人見知り・分離不安)が強まると、安心できる環境でしか飲みにくい

赤ちゃんは「安心」が整うと飲みやすくなります。環境や相手が変わると緊張して、哺乳瓶拒否が出る子もいます。
場所見知りが関係する場合は、(関連記事:人見知り・場所見知りでミルクを飲まない理由)が参考になります。


発達由来のミルク拒否?病気?見分けるポイント

「感情表現が増えたから飲まない」の多くは、機嫌や環境で揺れます。一方で、体調不良や脱水があると対応が変わります。以下を目安にしてください。

まず確認したいチェックリスト(今日の観察ポイント)

  • ✅ いつも通りおしっこが出ている(回数・量)
  • ✅ ぐったりしていない/顔色が極端に悪くない
  • ✅ 発熱・嘔吐が続く・呼吸が苦しそうなど強い症状がない
  • ✅ 飲まない時間があっても、どこかのタイミングで飲める
  • ✅ 体重が急激に減っていない(増え方が緩やかでもOKなことは多い)

受診サインが気になる場合は、こちらの記事も必ず確認してください:
ミルク拒否で受診すべき症状
脱水症状の見分け方


感情表現が増える時期の「ミルク拒否」対策|今日からできる6ステップ

ステップ1:まず“落ち着く導線”を作る(授乳前のスイッチ)

感情が高ぶっている状態で飲ませようとすると、拒否が強くなりやすいです。最初に落ち着く→飲むの順番を意識します。

具体策は以下が鉄板です(関連記事:ミルク前のルーティン作り(赤ちゃんを落ち着かせる方法))。

  • 部屋を少し暗めにする/テレビ・音を切る
  • 抱っこでゆっくり揺らす(早すぎる揺れは逆効果の子も)
  • 声は低め・短く「大丈夫だよ」「今から飲もうね」
  • 一度深呼吸してから哺乳瓶を近づける

ステップ2:タイミングを“早めに”調整(空腹MAX・眠気MAXを避ける)

空腹が強すぎると、泣きが先に出て吸いづらくなります。眠気が強すぎても、怒って拒否しやすくなります。
「泣いてから作る」より、空腹サインが出たら早めにを意識すると成功率が上がります。

「空腹じゃないのに飲ませようとしているかも?」と迷う場合は(関連記事:空腹じゃないときの見分け方)も参考になります。

ステップ3:姿勢と角度を“固定しない”|赤ちゃんの好みに合わせる

同じ抱き方が急に合わなくなることはよくあります。成長で体の使い方が変わり、「この角度が嫌」が出るためです。
次の記事のポイントを取り入れると、拒否が軽くなるケースがあります:
飲みやすくなる抱き方・角度

ステップ4:ミルクの“出る速さ”を見直す(飲みやすさ=安心)

感情が揺れている時期は、ちょっとした飲みにくさで拒否が強まりやすいです。乳首(ニプル)の流量や穴の形が合っているか確認しましょう。
迷う場合は(関連記事:乳首の流量が合っているかどうかの見分け方)が役立ちます。

ステップ5:授乳中の“コミュニケーション量”を調整する

感情表現が増える時期は、関わり方の好みも分かれてきます。

タイプ よくある様子 おすすめの関わり方
静かに飲みたい 目をそらす/話しかけると飲むのをやめる 声かけ最小限、視線を合わせすぎない、環境を静かに
安心しながら飲みたい 不安そう、抱っこで落ち着くと飲む 短い声かけ+一定のリズムの抱っこ、安心ルーティンを固定
途中で飽きる(遊び飲み) 少し飲んでキョロキョロ、乳首を噛む 短時間集中(5〜10分)→休憩→再トライ、時間を区切る

ステップ6:“一発で飲ませる”をやめて、回数と合計で考える

感情が揺れる時期は、1回でたくさん飲めないことがあります。そんな時は、「1回量」ではなく「1日合計」で見守る方が、親も赤ちゃんもラクです。
飲みムラが気になる場合は、(関連記事:飲みムラとの付き合い方)や(関連記事:ミルク量が毎日バラバラなときの平均の考え方)もおすすめです。


よくある場面別:感情が原因のミルク拒否“あるある”と対応

ケース1:哺乳瓶を見ただけで泣く(緊張・嫌な記憶・気分)

「飲ませよう」と構えた雰囲気や、以前むせた経験などが引き金になり、哺乳瓶を見るだけで泣くことがあります。まずはミルクを“勝負”にしないこと。
対策は、落ち着く→口に入れる、の順番に戻します。必要なら少し時間を置いて再挑戦しましょう。

関連:ミルクを見るだけで泣くときの心理

ケース2:飲み始めは飲むのに途中で泣く(不快・飽き・流量・気分変化)

途中で泣くのは、「満足した」「疲れた」「出る速さが合わない」「げっぷが溜まって苦しい」など複数の可能性があります。
まずは一度中断して抱っこし、げっぷを促し、姿勢を変えて再トライ。
関連:飲み始めは飲むのに途中で泣く理由

ケース3:反り返って拒否する(感情の爆発+姿勢の不快感)

反り返りは、怒りや不快のサインとして出やすいです。ここで無理に口へ入れると、哺乳瓶拒否が強化されることがあります。
一旦抱っこで落ち着かせ、角度を変え、短時間で再トライ。どうしても難しい時は、眠気があるタイミング(寝起き・うとうと)を活用するのも選択肢です。
関連:抱っこを嫌がる・反り返るときの授乳拒否


やってしまいがちなNG対応(ミルク拒否が長引く原因になりやすい)

  • ❌ 泣いている口に無理に哺乳瓶を押し込む(嫌な経験が残りやすい)
  • ❌ 追いかけ授乳・長時間の粘り(授乳が“戦い”になりやすい)
  • ❌ 飲まないたびに頻繁にミルクや哺乳瓶を総入れ替え(原因が見えにくくなる)
  • ❌ 「飲ませなきゃ」で親が強く焦る(赤ちゃんが緊張を受け取りやすい)

NG対応を整理したチェックもあります:
ミルク拒否中にやってはいけないNG対応


【比較表】発達由来の“飲まない”と、体調不良っぽい“飲まない”

ポイント 発達(感情)由来の可能性が高い 体調不良の可能性も考える
機嫌 遊べる時間は元気/笑顔もある ぐったり、反応が弱い、ずっと不機嫌
飲み方 タイミング次第で飲める(寝起き・静かな環境など) どのタイミングでも飲めない、明らかに辛そう
尿・便 尿が出ている、便も大きな変化なし 尿が少ない、口が乾く、下痢や嘔吐が続く
発熱・呼吸 熱なし、呼吸は普段通り 発熱、咳で苦しい、呼吸が早い
体重 増え方が緩やかでも大きく落ちない 短期間で体重が減る、増えない期間が長い

「受診したほうがいいか迷う」場合は、ここを先に確認してください:
ミルク拒否で受診すべき症状


今日からの“見守りポイント”|親がラクになる考え方

感情表現が増える時期のミルク拒否は、「今の発達に合う飲み方へ調整している途中」のことがあります。だからこそ、完璧に飲ませるより、次の3つでOKラインを作ると気持ちがラクになります。

  • OKライン①:尿が出ていて、ぐったりしていない
  • OKライン②:1回に飲めなくても、どこかで飲める(合計で調整できる)
  • OKライン③:親子が“戦い”にならない形を優先する

もし「授乳量が減って不安」が強い場合は、こちらの記事が相性いいです:
授乳量が減っても心配いらないケースとは


【医療者コメント】医師・産婦人科看護師より🌸

感情表現が増える時期は、赤ちゃんが「安心できる状態」を求めるようになり、授乳の成功・失敗が環境に左右されやすくなります。
まずは静かな環境・同じルーティン・抱っこの安定を整え、「飲む前に落ち着く」を優先してみてください。飲めない回があっても、責めずに次のタイミングへ切り替えることが、結果的に哺乳瓶拒否を長引かせにくいです。

発達によるミルク拒否はよくありますが、脱水(尿が少ない、口が乾く、ぐったり)や、発熱・嘔吐・呼吸が苦しそうなどの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。また、体重が増えない期間が長い、明らかな活気低下がある場合も、授乳の工夫だけで抱えずに医療者の評価を受けると安心です。


育児に取り組むパパ・ママへ🌼

赤ちゃんの「飲まない」は、親のせいではなく、成長の途中で起こることがたくさんあります。
今日できる小さな工夫を積み重ねて、親子が少しラクになる形を一緒に探していきましょう。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
👉 目次:ミルク拒否ガイド【保存版】|原因・対策・哺乳瓶選び・月齢別サポートまとめ

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科看護師|第一子育児中の母
産前・産後ママたちを数多くサポート。看護師&育児経験を活かし当ブログの執筆・運営を担当🌸

📌 医療監修:
医師|第一子育児中の父
発達特性やメンタルヘルス領域が専門🌻
医学的な正確性・安全性(受診目安や表現の適切性)の確認を中心に当ブログを監修🌼  

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

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