【5〜6ヶ月】離乳食開始後のミルク拒否と対処

【5〜6ヶ月】離乳食開始後のミルク拒否と対処法|飲まない・減るのは普通?原因と改善ガイド

生後5〜6ヶ月になると離乳食が始まり、赤ちゃんの食の世界が一気に広がります。その一方で多くの家庭では、次のような変化も感じ始めます。

  • 「ミルクの飲む量が減ってきた」
  • 「哺乳瓶を押し返す・泣く・遊び飲みが増えた」
  • 「離乳食は食べるのに、ミルクは嫌がる」
  • 「母乳は飲むのに粉ミルクだけ拒否する」

結論:生後5〜6ヶ月のミルク拒否は、発達による自然な変化であり珍しくありません。

この時期の赤ちゃんは「飲む」から「食べる」へ移行する段階にあり、

  • 感覚が鋭くなる
  • 新しい刺激に強い興味を持つ
  • 授乳リズムが変化する
  • 哺乳瓶の吸いごこちに敏感になる

といった複数の変化が同時に起こるため、ミルクへの反応が揺らぎやすいのです。

この記事では、5〜6ヶ月で起こるミルク拒否の原因・タイプ別の特徴・具体的な改善策・受診目安を、育児初心者でもわかりやすいように徹底解説します。

全体像も知りたい場合はこちら👇

👉 【保存版】ミルク拒否ガイド|原因・対策・哺乳瓶選び・月齢別サポートまとめ


🔍 なぜ5〜6ヶ月でミルク拒否が増えるのか?(結論:発達変化が重なる時期)

5〜6ヶ月の赤ちゃんは、身体的・感覚的・心理的な成長が一気に進むため、「飲まない=問題」ではなく、飲み方・気分・興味が変化する時期と考えるのが正解です。

主な変化は次の通りです👇

  • 離乳食の開始
    → 舌ざわり・味・匂いなど新しい感覚刺激がミルクより楽しい
  • 口腔機能の発達(舌運動の変化)
    → 前後運動中心 → 上下運動中心へ変化し、哺乳瓶に違和感を覚えやすい
  • 満腹感の変化
    → 1回に飲める量が増えるが、回数は減るため「飲まない時がある」が自然
  • 集中力の短さ
    → 音や人の動き、テレビの光で簡単に気が散る
  • 乳首や哺乳瓶の違いに気づく
    → 硬さ・流量・吸いごこちの好みがはっきりする
  • 授乳姿勢の好みが明確化
    → 横抱きが嫌になる子が急増

つまり、ミルクが「嫌い」になったわけではなく、発達が進んだことで以前のスタイルが合わなくなってきただけなのです。

👉 ミルク拒否の原因一覧を見る


📌 5〜6ヶ月でよく見られる4つのタイプ別原因

赤ちゃんの様子に当てはまるタイプを把握することで、改善策が一気に明確になります。

🍼タイプ①:離乳食優先タイプ(食べる方が好き)

  • 離乳食は嬉しそうに食べる
  • スプーンを見るとニコニコする
  • ミルクより食べ物の方に注意が向く

これはミルク嫌いではなく、「楽しい方に興味が向く」だけです。

離乳食の味・舌ざわりのバリエーションは、ミルクより刺激が多く、興味が移りやすくなります。


🍼タイプ②:乳首・流量ミスマッチタイプ

  • むせる・途中で怒る
  • 哺乳瓶を噛む
  • 流量が遅いとイライラする、早いとむせる

5〜6ヶ月は乳首の好みが大幅に変わりやすいため、合わなくなることがよくあります。

✓ サイズ変更
✓ 穴の形状変更(丸穴→Y→クロスカット)
✓ メーカー変更

は特に有効。

👉 月齢別ニプルサイズの選び方

👉 哺乳瓶を変えたら飲んだ理由


🍼タイプ③:刺激に弱く集中できないタイプ

  • キョロキョロして全然飲まない
  • 声をかけると飲むのを止める
  • 周囲の音・光に敏感

これは発達の証で、視覚・聴覚が急成長している時期に特に増えます。

→ 環境を整えると飲む量が増えやすい。

👉 授乳環境(匂い・姿勢・温度)の影響


🍼タイプ④:満腹リズム変化タイプ

  • 飲む時間が日によってバラバラ
  • 寝起きだけよく飲む
  • 途中で遊び始める

生後5〜6ヶ月は満腹中枢が成熟し、回数が減る代わりに1回量が増える変化が起こります。

→ 時間より赤ちゃんのサイン優先が大切。

👉 授乳間隔の目安はこちら


🥄 離乳食とミルクの関係|優先すべき順番は?

厚生労働省ガイドラインでは、

「離乳食は栄養補助。主な栄養源はミルク」

とされています。

ただし、離乳食開始直後はミルク量が波打つ(飲む日・飲まない日が出る)のが普通です。

📏 ミルク量の参考目安(5〜6ヶ月)

月齢 1回量 回数 1日量の目安
5ヶ月 140〜160ml 5回 700〜900ml
6ヶ月 160〜200ml 4〜5回 600〜900ml

これより少なくても、次の条件を満たしていれば深刻でないことが多いです👇

  • 排尿:1日5〜6回以上
  • 体重:1ヶ月で500〜700g増えている
  • 機嫌・睡眠が安定している

👉 月齢別ミルク量の詳しい解説はこちら


🍼 今日からできる「実践的な改善ステップ」

ここからは、多くの家庭で効果のあった具体的な対策を紹介します。

✔ 対策①:ミルクは離乳食より先にあげる

ミルク → 離乳食 → 遊び or ねんね が基本の流れ。

満腹後のミルクは飲みにくいため、順番だけで改善することも多いです。


✔ 対策②:姿勢チェンジ(横抱き拒否が増える時期)

  • 縦抱き授乳
  • 座位に近い姿勢
  • 密着スタイル(胸に寄せる)
  • 寝ぼけ飲み(眠り始め・寝起き)

👉 飲みやすくなる授乳姿勢はこちら


✔ 対策③:乳首・哺乳瓶の見直し(5〜6ヶ月は好みが変わりやすい)

離乳食開始後は、赤ちゃんが「噛む」「舌で押す」動きに興味を持つようになり、
乳首の吸いごこちの好みが大きく変化する時期です。

  • サイズアップ(M → L など)
  • サイズダウン(出過ぎる子の場合)
  • 穴の形状変更(丸穴 → Yカット → クロスカット)
  • メーカー変更(ピジョン → チュチュベビーなど)

乳首が合わないと、

  • 途中で怒る
  • 哺乳瓶を噛む
  • むせる
  • すぐ遊び始める

といった反応が出やすくなります。

👉 哺乳瓶拒否を克服する具体的ステップ


✔ 対策④:刺激を減らした「集中できる授乳環境」を作る

5〜6ヶ月は視覚・聴覚が急速に発達し、次のような刺激に弱くなります。

  • テレビの光
  • スマホの通知音
  • 家族の話し声
  • ペットの動き

こうした刺激を減らすために、

  • 静かな部屋に移動する
  • 照明を少し落とす
  • テレビ・スマホをオフにする

これだけで飲む量が増えるケースは多いです。

👉 授乳環境がミルク拒否に与える影響


✔ 対策⑤:泣いたら一度ストップし、5〜10分後に再チャレンジ

ミルク拒否で最もやってはいけないのは「強引に飲ませようとすること」です。

泣いたらいったんストップ → 5〜10分あけて再トライ

この方法は、赤ちゃんの情緒を守りながら授乳を進める最も安全で効果的な方法です。

  • 泣いている時の授乳 → ミルク嫌いの固定化
  • 数分の休憩 → リセット+飲みやすくなる

👉 飲み始めてすぐ泣くときの原因と対策


⚠ 受診が必要なサイン(ミルク拒否が続く場合)

次の症状がある場合は、小児科受診をおすすめします。

  • 排尿が1日4回以下に減っている
  • 1週間で体重が50g以下しか増えない、または減っている
  • 強い嘔吐・下痢・発熱を伴う
  • ぐったりして元気がない
  • 8時間以上まったく飲めない
  • 顔色が悪い、呼吸が早い、いつもと明らかに違う

迷ったら、受診・相談だけでも大丈夫です。

👉 ミルク拒否で受診すべき症状


🧠 【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より

5〜6ヶ月は、赤ちゃんにとって次のような大きな成長のステップです。

  • 飲む → 食べる への移行期
  • 感覚が鋭くなり、新しい刺激に興味が向く
  • 自分の意思や好みを表現する力が強くなる

そのため、「ミルクより離乳食が好き」「今は飲む気分じゃない」<といった反応は自然です。焦らず、赤ちゃんのペースに寄り添う姿勢がとても大切です。大半の赤ちゃんは、環境・姿勢・乳首の調整を行うことで、また自然と飲めるようになります。5〜6ヶ月のミルク拒否は「発達の証」と前向き捉えつつ、うまく付き合っていきましょう。


📝 保存して使えるチェックリスト

毎日の授乳で迷ったときは、次の項目を見返してみてください👇

  • ☑ ミルクは離乳食より先にあげている?
  • ☑ 姿勢が合っている?(縦抱き・座位)
  • ☑ 授乳環境に刺激が多くない?
  • ☑ 乳首サイズ・形状は今の赤ちゃんに合っている?
  • ☑ 寝ぼけ飲みを活用している?
  • ☑ 排尿・体重・機嫌の3つで全体を判断できている?
  • ☑ 泣いたときは一度休憩して再チャレンジしている?

👉 関連記事・次に読むべきページ

全体を体系的に理解したい方はこちら👇

👉 【保存版】ミルク拒否ガイド|原因・対策・哺乳瓶選び・月齢別サポートまとめ


🧸 まとめ|5〜6ヶ月のミルク拒否は「飲み方が変わるサイン」

5〜6ヶ月のミルク拒否は、

「飲めなくなった」のではなく、「飲み方や興味が変化している」時期に起こるものです。

赤ちゃんはミルクそのものではなく、

  • タイミング
  • 授乳姿勢
  • 乳首の吸いごこち
  • 刺激・環境
  • その日の気分・眠気

といった周囲の条件に左右されます。

少し工夫するだけで改善することが多いので、焦らず取り組んでいきましょう。

育児はとても大変ですが、あなたのペースで大丈夫です。
少しずつ、赤ちゃんのペースに寄り添っていきましょう。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母

           

📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

コメント