ねんね飲みのコツ

ねんね飲みのコツ|泣く・飲まない・途中で起きる赤ちゃん向けガイド

「起きていると飲まないのに、寝かせると飲む…」
「夜だけウトウトしていないとミルクを拒否する」
「ねんね飲みって癖になる?続けても大丈夫?」

ねんね飲みは、ミルク拒否や哺乳瓶拒否がある赤ちゃんにとって、とても効果的な“飲みやすい状態を作る方法”です。一方で、安全面や「癖になるのでは?」という不安も多く寄せられます。

そこで本記事では以下の内容を結論→理由→具体的な手順→安全のポイントの順で分かりやすくまとめています。

  • ねんね飲みが有効な理由(発達の観点)
  • 正しい姿勢・角度・環境づくり
  • 途中で泣く・飲まない時の対処
  • 誤嚥リスクを避ける安全な方法
  • 癖になるのか?やめるタイミングは?

▼ミルク拒否全体を整理したい人はこちら
👉 ミルク拒否ガイド【保存版】(総合ページ)


🍼 ねんね飲みとは?|まずは結論

ねんね飲みとは、赤ちゃんを落ち着かせた「半分ねむい状態」で飲んでもらう授乳方法です。

この状態は、以下のような赤ちゃんに特に合いやすい傾向があります。

  • 覚醒時に刺激が多くて集中できない
  • 哺乳瓶拒否が強い(母乳は飲める)
  • 遊び飲み・気が散りやすい
  • 抱っこだと飲むのに座位では飲めない
  • 寝入りばなだけ飲んでくれる

ねんね状態では、筋緊張がゆるみ、吸啜反射が働きやすくなるため飲めるようになることが、多くの臨床でも見られます。


💡 なぜねんね飲みだと飲める?(発達と生理の視点)

ねんね飲みが効果的な理由は大きく3つ。ここを理解すると無理のない飲ませ方ができます。

① 吸啜(きゅうてつ)反射が強く働く

生後数ヶ月は、眠気があると「吸う動き」が反射的に起こりやすい時期です。
覚醒時には“自分で飲みたい量を調整する意志”が働きますが、眠気があると意志より反射が優位になります。

② 刺激が減り、飲みに集中できる

赤ちゃんは0〜5ヶ月頃まで、周囲の刺激(視覚・音・におい)にとても影響されます。
ねんね姿勢にすると、余計な刺激が減り、飲む動作に集中しやすくなるのです。

③ 安心感とホルモン分泌が飲みやすさにつながる

肌が触れ合う姿勢・抱かれる感覚は、赤ちゃんにオキシトシン(安心のホルモン)をもたらします。
これがミルク拒否の緊張を和らげ、飲みやすさを高める効果があります。

👉 刺激が原因のミルク拒否はこちら
授乳環境の影響(匂い・姿勢・温度)


📌 正しいねんね飲みのやり方(手順)

ここからは、医療的に安全かつ飲みやすいねんね飲みの方法を、ステップ式で紹介します。

Step 1|環境を整える(刺激を減らす)

  • 部屋の照明を落とす(間接照明)
  • テレビ・スマホ音を切る
  • お気に入りの毛布・タオルで安心感を出す

寝入りばなの「ウトウト」状態をつくると成功率が上がります。

Step 2|姿勢づくり(角度が重要)

赤ちゃんの頭と体が一直線で、頭が少し高い角度(10〜20°)が安全かつ飲みやすい姿勢です。

  • 縦抱き→少し傾ける(急に寝かせると拒否する子向け)
  • 横抱き→肘で頭を支え、首が曲がらないようにする
  • 添い寝姿勢(頭だけ少し高い位置へ)

👉 姿勢が原因のミルク拒否はこちら
飲ませ方のコツと姿勢調整

Step 3|ミルクを口元へ当てる

ここはとても重要です。押し込まず、そっと触れるだけ。
反射が働くと自然に口が開きます。

Step 4|飲むリズムを邪魔しない

飲むペースが速い/遅い場合は以下を調整👇

  • 乳首サイズ(大きすぎはむせ、遅すぎは疲れる)
  • 哺乳瓶の角度(乳首がミルクで満たされているか)
  • 途中で1回ゲップ

Step 5|寝落ち後の外し方

赤ちゃんが深く眠ったら、口角に指を軽く触れ、舌の動きを止めるイメージで離します。
無理に引き抜くとビックリして泣き戻しの原因になるためNGです。


💭 飲まない・泣く・途中で起きるときの対処

ねんね飲みでもうまくいかない場合、以下の原因が多く見られます👇

① 温度・味・乳首で違和感がある

途中で泣く・途中で起きる原因として最も多いのは、ミルクの温度や乳首の流量が合っていないことです。

  • 熱すぎてビックリして泣く
  • ぬるすぎて飲む気が起きない
  • 乳首の流量が速すぎてむせる
  • 逆に遅すぎて疲れる

👉 温度調整が原因かも?
ミルク温度調整テクニック

👉 流量(穴サイズ)をチェック
月齢別ニプルサイズの選び方


② 眠気が浅い(タイミングのズレ)

ねんね飲みの成功はタイミングが9割です。

  • ウトウト前でまだ覚醒している
  • 眠すぎて機嫌が悪い
  • 昼寝前後のタイミングが合っていない

眠気のサイン(あくび・目をこする・ぼーっとする)をキャッチすることが重要。

👉昼のタイミングを知りたい人
授乳間隔の目安と調整方法


③ 胃がいっぱい・ゲップが溜まっている

ねんね飲みは姿勢がやや水平に近いため、げっぷの溜まりが原因で途中で泣くケースも多いです。

その場合は以下を試してください👇

  • 5分ごとにいったん起こして縦抱きゲップ
  • 哺乳瓶の角度を浅めにする(空気を飲みにくくする)
  • 飲む前に少し体を立てて刺激する

👉空気溜まりが気になる人
げっぷが出にくいときの対処法


⚠️ 医療的に見る「ねんね飲みの注意点」

ねんね飲みは便利で効果的ですが、安全に行うことが最優先です。
以下に、安全のための医学的ポイントを整理します。

① 平らすぎる姿勢は誤嚥リスクがある

赤ちゃんを完全に寝かせた状態(水平)は、ミルクが喉に流れ込みやすく、むせる・詰まるリスクが高まります。

安全な角度の目安👇

  • 頭を10〜20度ほど高くする
  • タオル・枕で傾斜をつける
  • 赤ちゃんの首が曲がらないようにする

② くわえたまま寝かせるのはNG

絶対に避けたいのは、赤ちゃんがミルクをくわえたまま寝てしまい、
無呼吸・窒息・誤嚥・むし歯につながるケースです。

安全な外し方👇

  • 深く眠ったタイミングを待つ
  • 口角に指を添えて自然に離れるようにする

③ げっぷ・見守りは必須

ねんね飲みの後は胃の中に空気が残りやすいので、縦抱きでのげっぷが必須です。


🧸 ねんね飲みは「癖になる?」の答え

結論:多くの場合、癖にならず自然に卒業できます。

ねんね飲みが必要なのは、

  • 反射が強い0〜5ヶ月ごろ
  • 刺激が多い時期(3〜5ヶ月)
  • 生活リズムがまだ不安定な時期

離乳食が進む6ヶ月以降は、以下の変化が起こります👇

  • 覚醒状態で飲めるようになる
  • 興味対象が増え、反射の優位性が減る
  • お腹が空いたら自分から飲むようになる

つまり、ねんね飲みは「必要な時期だけの一時的なサポート」と考えてOKです。


⏱ ねんね飲みをやめるタイミング

次のようなサインが出てきたら、覚醒時の授乳へ移行しやすいです👇

  • 離乳食が1日2回になった頃
  • 興味の対象が広がり、起きている時間が増えた頃
  • 哺乳瓶を自分で持とうとする
  • ねんね飲みがうまくいかなくなる

急にやめる必要はなく、1日のうち1回だけ覚醒時に挑戦するなど段階的でOK。


📋 月齢別チェックリスト

月齢 ねんね飲みのポイント
0〜2ヶ月 反射が強い時期。角度をしっかりつける。飲みムラは普通。
3〜4ヶ月 刺激に弱く遊び飲み期。ねんね飲みが最も効果的。
5ヶ月 機嫌や日中のリズムで変化。温度と乳首を再調整。
6ヶ月〜 離乳食開始期。覚醒時授乳へ自然に移行しやすい。

👉月齢別の原因はこちら
【3ヶ月】遊び飲み・途中で泣く
【5〜6ヶ月】離乳食後のミルク拒否


📍まとめ|ねんね飲みは「安心して飲める」サポート方法

ねんね飲みは、赤ちゃんが安心してミルクを飲めるための非常に有効な方法です。
ただし安全に行うことが第一で、角度・見守り・タイミングがポイントになります。

  • ねんね飲みは反射と安心感で飲みやすい
  • 安全な角度(10〜20°)と姿勢が必須
  • 途中で泣く原因は「温度・乳首・眠気の浅さ」
  • くわえっぱなし・水平姿勢はNG
  • 癖になる心配はほぼ不要で、自然に卒業できる


赤ちゃんの飲み方には本当に個性があります。
うまくいかない日があっても大丈夫。少しずつ試していけば、必ずあなたの子に合う方法が見つかります。

この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母

           

📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

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