【月齢別ミルク量】飲みムラ・授乳回数・量の目安まとめ|足りてるか不安な時のチェックポイント
「飲む日と飲まない日の差が大きい」「最近ミルクの量が減ってきた」「この月齢でどれくらい飲めばいいの?」
——そんな疑問を持つママ・パパはとても多いです。
結論:
ミルク量は毎日同じでなくてOK。飲みムラは成長の証です。
赤ちゃんは月齢によって、胃の容量・吸う力・睡眠や刺激への反応が変化するため、飲む量が一定ではありません。
この記事では、月齢別ミルク量の目安・飲みムラの正常範囲・受診判断ライン・改善策までまとめています。
さらに原因別の深掘りはこちら👇
👉 【保存版】ミルク拒否ガイド|原因・対策・哺乳瓶・授乳方法まとめ
🔍 ミルク量の基準は「目安」であり「正解」ではありません
まず知ってほしいこと👇
- 教科書にある量はあくまで参考値
- 赤ちゃんごとに飲むスピード・必要量は違う
- 睡眠、活動量、気分で飲む量は変わる
- 飲めるだけ飲む=体の調整機能が育っている証拠
つまり、「飲む量を見る」のではなく「赤ちゃんの状態を見る」ことがポイントです。
📌 月齢別ミルク量の目安(完全ミルク)
| 月齢 | 1回量 | 回数 | 1日の目安量 |
|---|---|---|---|
| 0〜1ヶ月 | 60〜100ml | 7〜8回 | 600〜800ml |
| 2ヶ月 | 100〜140ml | 6〜7回 | 700〜900ml |
| 3ヶ月 | 120〜160ml | 5〜6回 | 600〜900ml |
| 4ヶ月 | 140〜180ml | 5回 | 700〜900ml |
| 5〜6ヶ月 | 160〜200ml | 4〜5回 | 600〜900ml |
| 7〜8ヶ月 | 120〜200ml | 3〜5回(離乳食あり) | 500〜800ml |
| 9〜12ヶ月 | 100〜180ml | 2〜4回 | 400〜700ml |
POINT:目安より少なくても、体重・排尿・機嫌が良ければ問題ありません。
👉 離乳食期のミルク減少が不安な方はこちら:
【5〜6ヶ月】離乳食開始後のミルク拒否
🍼 飲みムラが起きる理由
飲む量が毎日違うのは自然な成長反応です。
- 胃の容量が増え必要量が変化する
- 睡眠・活動量で必要カロリーが変わる
- 授乳リズムが安定してくる
- 離乳食への興味・刺激が増える
- 乳首サイズやメーカーの相性が変化する
飲めないのではなく、「必要じゃない時は飲まない」能力が育っている証。
👉 飲み途中で泣く場合の解説:
飲み始めは飲むのに途中で泣く理由
✔ 足りているか判断する基準
量ではなく「状態」を見ましょう👇
- 排尿:1日5〜6回以上
- 体重:月500〜800g増えている
- 機嫌が良く、泣き止む
- 眠れている・元気
これらが揃っていれば、量が少なくてもほぼ問題なしです。
📌よくあるケース別の改善ポイント
① 飲み始めても途中でやめる
→乳首サイズ変更、哺乳瓶メーカー変更
② 朝は飲まないが夜なら飲む
→リズム形成中。正常です。
③ 遊び飲みする・周囲をキョロキョロ
→刺激が多すぎるため、静かで暗めの環境へ。
④ 寝ぼけ飲みなら飲む
→多くの赤ちゃんに有効。安全に使えば問題なし。
⑤ 離乳食後飲まない
→順番をミルク→離乳食へ変更。
⚠ 受診・相談が必要なサイン
- おしっこが1日4回以下
- 体重が減る・増えない
- 授乳間隔が8時間以上続く
- 発熱・下痢・嘔吐を伴う
- 明らかに機嫌が悪くぐったり
迷ったら遠慮せず小児科へ相談してOKです。
🧠 発達・生理学からみる「ミルク量の変化」の本当の理由
ミルク量の変化や飲みムラは、単なる「気まぐれ」ではなく、赤ちゃんの体と脳が急速に発達する過程で生じる必然的な現象です。この章では、医学的・生理学的・発達学的な視点から、飲む量の変化を専門的に解説します。
① 胃の容量の成長に伴う“必要量の再調整”
新生児の胃の容量はとても小さく、約20〜30ml程度。その後、生後6ヶ月には約150〜180mlまで拡大します。この成長過程で、赤ちゃんの身体は「必要な量を飲む→溢れたら飲まない」という調整を自然に行います。
- 前日は疲れて多く飲む
- 翌日は活動量が少なく飲まない
- 離乳食が始まるとミルク量が減って当然
これは正常な「内部調整能力(self-regulation)」が育っている証です。
② ホルモンバランスの影響
授乳は「食行動」ですが、生理学的にはホルモンによって強く影響を受けます。
- レプチン:満腹感を感じるホルモン
- グレリン:空腹を感じるホルモン
- オキシトシン:安心・落ち着きに関連
これらは日内変動があり、特に赤ちゃんはホルモンのリズムが未成熟なため、
「朝は飲まないが夕方・夜はよく飲む」
などの現象が起きます。これは「異常」ではありません。
③ 神経発達の進み方による“集中できない時期”
月齢3〜5ヶ月は視覚・聴覚・注意機能が急速に発達します。そのため授乳中にキョロキョロしたり、遊び飲みしたりしやすくなります。
この時期の飲みムラは、感覚刺激への脳の反応が優先される時期特有の現象です。
④ 哺乳運動から「咀嚼運動」への移行
離乳食開始前後は、舌の動きが「前後運動(吸う動き)」から「上下・左右(食べる動き)」へ移行する時期です。
そのため、哺乳瓶の乳首の吸い心地がしっくりこない・吸う動作が疲れるなどの理由でミルク量が減ることがよくあります。
👉 同様の傾向は以下にも:
【3ヶ月】遊び飲みの原因と対策
⑤ 離乳食の進み方による変動
離乳食が始まると、エネルギーの一部が食事から補われるため、ミルク量は自然に減ります。
これはWHOや厚生労働省のガイドラインでも明記されており、離乳食が進むにつれミルクは「主栄養→補助栄養」へ役割が変化します。
👉 詳細:5〜6ヶ月のミルク拒否と対策
⚠ ミルク量が減ったときに「絶対にやってはいけない」3つのこと
❌ ① 無理に押し込む・強制授乳
口を強く押し当てる、揺らしながら入れる、泣いていても続ける——これはミルク嫌いを強めます。
❌ ② 飲むまで粘り続ける
30分以上粘ると、赤ちゃんは「授乳=しんどい刺激」と学習します。
❌ ③ 毎回量を気にしすぎて授乳が緊張状態になる
保護者が緊張していると、赤ちゃんにも伝わり飲みにくくなります。
✔ 正解は「いったんやめて5〜10分後に再トライ」。
🍼 ミルク量が減ったときの改善ステップ(専門的アプローチ)
① 哺乳瓶・乳首の再評価
- 月齢に合う乳首サイズか?
- 出すぎていないか?(むせる→拒否)
- 逆に出なすぎていないか?(イライラ→拒否)
② 授乳環境の感覚刺激を最小化
- 部屋を少し暗くする
- テレビ・スマホを避ける
- 声掛けを減らす
③ 授乳間隔を整える
授乳間隔が短すぎると空腹でないため飲みません。逆に空きすぎると機嫌が悪く飲まない時期もあります。
④ 寝ぼけ飲みを活用する
寝入り・寝起き直後は刺激が少なく飲めることが多い時期です。
👉 ねんね飲みのコツ
🧑⚕️ 医療者コメント|医師・産婦人科病棟看護師より
ミルク量の相談は非常に多いですが、医学的に見て「異常」が隠れているのはごく一部です。ほとんどは生理的な飲みムラ、発達による飲み方の変化、環境刺激の影響、授乳リズムの調整過程です。ある程度のミルク減少は、むしろ発達の証であり、赤ちゃんが「自分の必要量を調整する能力」を身につけているサインでもあります。数字ではなく、赤ちゃんの全体像(機嫌・排尿・体重)を見ることが最も重要です。焦らずゆっくりと成長を見守っていきましょう。
📝 保存版チェックリスト
- □ 排尿回数は5回以上?
- □ 体重は月500〜800g増えている?
- □ 睡眠や活動量は普段通り?
- □ 授乳間隔が短すぎていない?
- □ 無理に飲ませようとしていない?
- □ 乳首サイズ・哺乳瓶の見直しをした?
- □ 離乳食の前後でミルクの順番を調整した?
- □ 寝ぼけ飲みは試した?
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🧸 まとめ|月齢別ミルク量は“目安”であり“評価基準”ではありません
月齢別ミルク量は、あくまで「参考値」であり、「絶対の正解」ではありません。赤ちゃんは一人ひとり、体の大きさ・代謝・性格・睡眠リズムが異なります。
大切なのは、数字ではなく赤ちゃんの状態を観察すること。
飲みムラもミルク量の減少も、成長の過程で自然に起こります。
焦らなくて大丈夫です。赤ちゃんは少しずつ、自分に合ったペースを見つけていきます。
困ったときは、またこの記事や下記ページを参考にしてくださいね。
👉 【保存版】ミルク拒否ガイド|原因・対策・哺乳瓶・授乳方法まとめ
育児は毎日が挑戦ですが、あなたは本当によく頑張っています。
赤ちゃんのペースに寄り添えているだけで、すでに素晴らしいパパ・ママです。
この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
🩺この記事の執筆・監修者
📌 執筆者:
元産婦人科病棟看護師/第一子育児中の母
📌 医療監修:
医師/乳幼児・児童発達分野にて勤務経験あり/第一子育児中の父
※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。


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