寝返り・ずり這いが始まると授乳が乱れる理由

発達と授乳トラブル

寝返り・ずり這いが始まると授乳が乱れる理由|発達とミルク拒否の関係

寝返りやずり這いが始まる時期は、赤ちゃんの世界が一気に広がる大切なステップです。
しかし同時に、「急にミルクを飲まなくなった」「途中で泣く・嫌がる」「授乳に集中しない」といった
ミルク拒否・哺乳瓶拒否が増えやすい時期でもあります。

結論として、寝返り・ずり這いが始まると授乳が乱れるのは、発達による行動の変化と感覚処理の変化が重なるためです。
動きたい欲求が強まり、姿勢が不安定になり、集中が続きにくくなることが原因です。

この記事では、発達とミルク拒否の関係を医学的にやさしく解説し、
今日から実践できる対策をまとめています。
まずは、ミルク拒否の全体像を知りたい方は
ミルク拒否ガイド【保存版】|原因・対策・哺乳瓶選び・月齢別サポートまとめ
も参考にしてみてください。


✔ 寝返り・ずり這い期に授乳が乱れやすい理由(要点)

  • 運動発達が進み、「動きたい」が優先される
  • 姿勢が安定せず、飲みづらさが出る
  • 刺激に気づきやすい時期で、集中力が切れやすい
  • 感覚が敏感になり、哺乳瓶の感触などを嫌がることがある
  • 離乳食が始まり、ミルクへの興味が相対的に低下する

これらの変化が重なり、授乳のリズムが乱れやすくなります。
では、順番に詳しく見ていきましょう。


1. 「動きたい欲求」が授乳より優先される

寝返り・ずり這いを獲得する5~7ヶ月ごろは、赤ちゃんにとって
「動けるようになること」=最大の学びが起きる時期です。

この発達段階では、授乳より「動くこと」への興味が強まり、
ミルク拒否・途中での泣き・哺乳瓶拒否が増える傾向があります。

● よく見られる行動

  • 飲んでいる途中で体をよじる
  • 抱っこを嫌がり反り返る
  • 哺乳瓶を見ると手で押しのける
  • 飲み始めてもすぐ口を離す

これは「ミルクが嫌いになった」わけではなく、
『動きたい → 抱っこで固定されるのがイヤ』という自然な発達の一部です。
反り返りと授乳の関係については、
反り返りが強い時期の授乳が難しい理由
で詳しく解説しています。


2. 姿勢が安定せず、飲みづらくなる

寝返りやずり這いの時期は、全身の筋肉が発達途中で、
首・体幹・骨盤の安定性がまだ不十分です。

そのため、授乳姿勢がうまく決まらず、
「飲みづらい → 泣く・拒否する」につながることがあります。

● 不安定な姿勢で起こりやすいこと

  • 過屈曲(頭が前に倒れすぎる)で飲みづらい
  • 反り返り姿勢になり、乳首にうまく吸い付けない
  • 体幹がブレて途中で飲むのをやめる

この時期は、飲みやすくなる抱き方・角度
を意識することで改善することが多いです。


3. 刺激に注意が向きやすく、集中力が続かない

生後5~8ヶ月は、認知発達が急速に伸びる「発達バースト期」です。
そのため…

  • 人の声
  • テレビの音
  • 光や物音
  • 周囲の動き

など、あらゆる刺激に気づきやすくなります。

結果として、
授乳より周囲の刺激に意識が向く → 飲まない・途中でやめる
というミルク拒否が起きやすくなります。

刺激過多による飲み渋りは、
認知発達と授乳の関係|気が散る時期の対応
も参考になります。


4. 感覚が敏感になり、哺乳瓶の感触を嫌がることがある

寝返り・ずり這い期は、手・口・肌の感覚が鋭くなる時期でもあります。
五感が発達するため、哺乳瓶の素材、温度、口当たりに敏感に反応し、
哺乳瓶拒否につながることがあります。

よくあるケース

  • 乳首の硬さが気になり口に含まない
  • 乳首の流量が合わず、むせて嫌がる
  • 温度が少し違うだけで飲まない

このような場合は
哺乳瓶の穴の形・硬さ・流量で変わる飲みやすさ
が参考になります。


5. 離乳食開始後、ミルクへの興味が低下する

5~6ヶ月以降は離乳食が始まり、
味覚の幅が広がる一方で、ミルクへの関心が薄くなりやすい時期です。

離乳食の満足感や食体験が増えることで、
「空腹が強くない時間帯にミルクを飲まない」
という自然な飲みムラが出てきます。

離乳食とのバランスによる飲み渋りは
【5~6ヶ月】離乳食開始後のミルク拒否と対処
が詳しいので参考にしてください。


寝返り・ずり這い期のミルク拒否に今日からできる対策

ここからは、寝返り・ずり這いが始まって授乳が乱れるときに
ご家庭で取り入れられる実践的な対策を紹介します。
「なぜ飲まないの?」という不安が少しでも軽くなるよう、
科学的根拠と経験に基づく方法をまとめました。


1. 授乳前に5〜10分だけ「動きたい欲求」を満たす

寝返り・ずり這い期は動きたい気持ちが非常に強いため、
授乳前に軽く体を動かす時間を作ると、落ち着きやすくなります。

  • マットの上で自由に転がる時間をつくる
  • ずり這いの練習を見守る
  • 好きなおもちゃで短時間遊ぶ

数分で十分なので、授乳前の“小さな発散”が大きな効果につながります。
似たケースをまとめた
遊び飲みが原因のミルク拒否
も参考になります。


2. 飲みやすい姿勢(授乳角度)に整える

姿勢の安定性が未熟な時期は、授乳角度の調整だけで飲みやすさが大きく変わります。

✔ 意識したいポイント

  • 赤ちゃんの頭〜背中〜腰がまっすぐ
  • 頭が反りすぎないように支える
  • 横抱きだけでなく、斜め抱き・縦抱きを試す
  • 体をやや丸める(過剰な反り返りを防ぐ)

詳しい抱き方は
飲みやすくなる抱き方・角度
が役立ちます。


3. 授乳環境の刺激を減らす(光・音・視界)

認知発達が急に進む時期は、刺激を“無視する”ことが難しくなります。
周囲が気になって飲めない場合は、シンプルな環境づくりが効果的です。

✔ おすすめの工夫

  • 部屋を少し暗めにする
  • テレビ・スマホ・家電の音をオフにする
  • 同じ部屋に人が多い場合は移動する
  • 抱っこして顔が外を向かないようにする

感覚が敏感な赤ちゃんの場合は、
感覚過敏でミルクを嫌がる赤ちゃんの授乳サポート
も参考にしてみてください。


4. 哺乳瓶・乳首の見直しをする

ずり這い期は口腔内の感覚も変わるため、
これまで飲めていた乳首が突然合わなくなることがあります。

✔ 見直すポイント

  • 流量が合っているか(少ない → イライラ、多い → むせる)
  • 乳首の硬さが口に合っているか
  • 哺乳瓶の素材が重すぎないか

哺乳瓶の選び方は
哺乳瓶の穴の形・硬さ・流量で変わる飲みやすさ
が詳しいです。


5. ミルクの時間を調整する(空腹度チェック)

離乳食が始まると、これまでより「空腹のタイミング」が読みづらくなるため、
授乳時間を少し調整するだけで飲む量が改善することがあります。

✔ 飲まない時のチェックリスト

  • 離乳食の時間がミルクと近すぎないか
  • 午睡の直後で眠気が残っていないか
  • 活動量が多くて疲れすぎていないか

月齢別の飲む量は
月齢別ミルク量の目安まとめ
で確認できます。


6. どうしても飲まないときは「区切り」をつける

寝返り・ずり這い期は飲みムラが増えるため、
「今は飲まない日なんだな」と区切ることも大切です。
無理に続けると、赤ちゃんも大人も疲れてしまいます。

少し休んでから再チャレンジする、
寝入りばなに与えるなどの工夫は
ねんね飲みのやり方
が役立ちます。


寝返り・ずり這い期の授乳対策まとめ(表)

課題 起きやすい理由 有効な対策
途中で泣く・嫌がる 動きたい欲求が強い / 集中できない 授乳前に遊ぶ / 静かな環境をつくる
反り返って飲まない 姿勢の不安定 / 体幹が未発達 角度調整 / 抱っこの見直し
哺乳瓶を押しのける 感覚過敏 / 流量が合わない 乳首の硬さ・形・流量を変更
飲みムラが激しい 離乳食の影響 / 空腹でない時間が増える 授乳時間の調整 / 食間の見直し

【医療者コメント】医師・産婦人科病棟看護師より🌸

寝返り・ずり這いの時期は、発達の伸びと授乳の乱れがちょうど重なりやすいタイミングです。医学的には、体幹の発達・感覚の成熟・認知の覚醒が大きく変化するため、「飲まない日があって当たり前」の時期でもあります。

授乳がうまくいかない日が続くと不安になりますが、多くは一時的で、発達が進むにつれ落ち着いていきます。不安が強いときは、哺乳量や体重増加の推移を目安にすると安心につながります。


育児に取り組むパパ・ママへ🌼

寝返りやずり這いは、赤ちゃんが大きく成長している証です。
授乳が乱れるのは、赤ちゃんが一生懸命に世界を広げている合図でもあります。
焦らず、できることを少しずつ試しながら、赤ちゃんのペースで歩んでいけますように。


この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。

より詳しく知りたい方は、
ミルク拒否ガイド【保存版】|原因・対策・哺乳瓶選び・月齢別サポートまとめ
もあわせてご覧ください。

🩺この記事の執筆・監修者

📌 執筆者:
元産婦人科看護師|第一子育児中の母
産前・産後ママたちを数多くサポート。看護師&育児経験を活かし当ブログの執筆・運営を担当🌸

📌 医療監修:
医師|第一子育児中の父
発達特性やメンタルヘルス領域が専門🌻
医学的な正確性・安全性(受診目安や表現の適切性)の確認を中心に当ブログを監修🌼  

※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。

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