授乳が作業のようにつらく感じるときの心のケア|毎回しんどいと感じる理由と気持ちの落ち着かせ方
結論からお伝えすると、授乳が「作業のようにつらい」と感じるのは、心が弱いからでも、愛情が足りないからでもありません。ミルク拒否や哺乳瓶拒否が続く中で、緊張と疲労が積み重なった結果、誰にでも起こり得る自然な反応です。
「授乳のたびにしんどい」「義務のように感じてしまう」「泣き声を聞くと胸がギュッとなる」…。そんな悩みを抱える方は少なくありません。
この記事では、授乳が“つらい作業”になってしまう理由を整理しつつ、今日からできる心の整え方を、現実的に続けられる形でまとめます。必要なところだけ拾い読みでも大丈夫です🌼
授乳が「つらい作業」になってしまう主な理由
① 毎回うまくいく保証がないから
授乳は本来、赤ちゃんと向き合う時間のはずなのに、ミルクを飲まない・途中で泣く・哺乳瓶を拒否するなどの出来事が続くと、「今回もダメかもしれない」という緊張が先に立ってしまいます。
ミルク拒否の原因一覧でも解説している通り、拒否の多くは赤ちゃんの発達や感覚の影響で、親の関わり方が原因ではありません。
それでも「結果が出ない体験」が続くと、脳は授乳を“失敗するかもしれないイベント”として学習してしまいます。すると授乳前から体がこわばり、呼吸が浅くなり、授乳が終わったあともぐったり…という悪循環が起こりやすくなります。
② 時間・量・回数に追われてしまう
「〇時間あいた」「〇ml飲ませなきゃ」「今日は量が少ない」
こうした考えが頭から離れない状態では、授乳中も気持ちが休まりません。
特に、ミルク量が毎日バラバラなときの平均の考え方を知らないまま頑張り続けると、数値管理そのものがストレスになりやすくなります。
授乳量が気になるほど、メモやアプリを何度も見返したくなり、安心を求めて検索が増え、さらに不安が増える…という流れにも入りやすいです(これは“頑張りすぎサイン”の一つです)。
③ 「飲ませなきゃ」という責任感が強すぎる
授乳がつらく感じる方ほど、
「ちゃんと育てたい」「赤ちゃんのために頑張りたい」という思いが強い傾向があります。
しかし、責任感が強いほど、うまくいかない瞬間に自分を責めやすくなります。
「私のやり方が悪い?」「赤ちゃんがかわいそう?」という考えが浮かぶと、授乳が“愛情の時間”ではなく“評価される場”のように感じやすくなります。
ミルク拒否がつらい…罪悪感の正体と心が軽くなる対処法でも触れているように、罪悪感が積み重なると、授乳そのものが苦痛になってしまうことがあります。
④ 休める見通しが立たない(終わりが見えない)
授乳がつらい作業に感じるとき、背景にあるのは「今日だけ」の疲れではなく、“この状態がいつまで続くのか分からない”というしんどさです。
ミルク拒否や哺乳瓶拒否は、波がありつつ徐々に落ち着くことも多い一方で、「明日から急に楽になる」とは限りません。だからこそ、心は先回りして警戒し、授乳が始まる前から疲れてしまいます。
⑤ 夜間の負担が大きい(睡眠不足は不安に直結)
睡眠不足は、気力や判断力だけでなく、不安の強さにも影響します。
夜に授乳があると、体は回復しきれないまま翌日を迎えやすく、授乳のたびに「また始まる…」と感じやすくなります。
夜のしんどさのケアは、夜間授乳がつらい…夜のストレスケアも参考になります。
「作業感」が強くなるとき、心の中で起きていること
感情を感じる余裕がなくなっている(省エネモード)
睡眠不足、先の見えなさ、不安が重なると、心は「こなすモード(省エネモード)」に入ります。
この状態では、たとえば次のような変化が起こりやすくなります。
- かわいいと感じる余裕がない
- 泣き声に過敏になる
- 授乳中は「終わること」だけ考えてしまう
- 授乳後にどっと疲れて動けなくなる
これは愛情が減ったのではなく、心が自分を守るためにエネルギー消費を抑えているサインです。体が疲れているときに筋肉が硬くなるのと同じで、心も守りの反応が出ます。
「また始まる」という予期不安
授乳がうまくいかない経験が続くと、
次の授乳前から緊張や憂うつ感が出てくることがあります。
ミルク拒否が続いてつらい…不安が強くなる理由と心の整え方で説明しているように、これは不安が学習されてしまった状態です。
予期不安があると、授乳中も呼吸が浅くなり、肩やあごに力が入りやすく、結果として疲労が増えていきます。「気合い」で乗り切ろうとすると、ますます消耗してしまうのです。
「つらい」と感じる自分を否定しなくていい
授乳が作業のようにつらいと感じたとき、
「こんなふうに思う自分はダメなのでは」と感じる方も少なくありません。
でも、ここで一番大切なのは、その気持ちを否定しないことです。
“つらい”は、あなたが弱い証拠ではなく、負荷が高い状況で頑張っている証拠です。
「つらい」と感じられるのは、それだけ真剣に向き合っているから。
まずは自分にこう言ってあげてください。
「今つらいのは、ちゃんと頑張っているからだ」
授乳がつらいときに、今日からできる心の整え方
① 授乳を「評価の場」にしない
授乳がしんどくなる大きな理由の一つは、毎回の授乳が「うまくできたか・失敗したか」という評価の場になってしまうことです。
ミルク拒否や哺乳瓶拒否があると、
- 飲んだ量
- 泣いたかどうか
- 時間内に終わったか
といった点ばかりに意識が向きやすくなります。
でも、授乳はテストではありません。
「今日はここまでできた」ではなく、「今日も一緒に過ごした」と捉えるだけでも、気持ちは少し緩みます。
おすすめの置き換え例:
- ×「飲めた/飲めない」 → ○「少しでも口にできた/今日は休む日」
- ×「量が足りない」 → ○「今日は波がある日。全体で見ればいい」
- ×「また泣いた」 → ○「今はこの刺激が苦手な時期かも」
② 「途中でやめてもいい」と自分に許可を出す
飲まない・泣く・反り返るときでも、「もう少し頑張らなきゃ」と続けてしまう方は多いです。
しかし、ミルク拒否中にやってはいけないNG対応でも触れている通り、無理に続けることが必ずしも良い結果につながるわけではありません。
いったん中断して、抱っこを変える、少し時間をあける、別の人に代わる。
それは「諦め」ではなく、赤ちゃんと自分を守る選択です。
目安として、次のようなときは一旦リセットを検討してOKです。
- 親の呼吸が浅くなってきた(焦りが強い)
- 赤ちゃんが反り返り・泣きが強くなってきた
- 口に入れようとするたびに嫌がりが増える
- 「このままだと自分が折れそう」と感じる
③ 授乳前の「緊張」をゆるめる(30秒でできる)
授乳がつらい方ほど、授乳前から肩や顎に力が入っていることがあります。
そこで、授乳の直前に“緊張をほどく合図”を入れてみてください。
- 深呼吸を2回(吸うより、吐く時間を少し長めに)
- 肩をすくめてストンと落とす
- 手のひらをゆるめる(握りしめていたら開く)
- 心の中で「うまくいかなくても大丈夫」と言う
この“前置き”があるだけで、授乳が「戦い」から「対応」へ少し変わりやすくなります。
④ 授乳後の「小さな回復」を先に予約しておく
授乳が作業になると、終わった瞬間も次のことで頭がいっぱいになりやすいです。
だからこそ、授乳後に30秒〜3分でできる回復を先に決めておきます。
- 温かい飲み物を一口飲む
- 窓を開けて深呼吸
- 肩・首をゆっくり回す
- 「今の授乳、よくやった」と1回だけ言う
短くても「回復の儀式」があると、授乳が“ただ消耗するだけの作業”になりにくくなります。
⑤ “授乳の負担を下げる工夫”を取り入れる(心が軽くなる土台)
心のケアは大切ですが、負担が高すぎると心だけでは持ちません。
現実の負担を少しでも下げる工夫もセットで考えてOKです。
たとえば、ミルクの温度が原因で飲み渋りが起きることもあるので、温度の整え方を見直すだけで「授乳が少し楽になる」ケースもあります。
参考:ミルクの温度調整テクニック
「毎回しんどい」状態が続くときの考え方
つらさは「甘え」ではなく、疲労のサイン
授乳がしんどい状態が続くと、「自分が弱いのでは」と感じてしまうことがあります。
でも、睡眠不足・不安・責任感が重なった状態で心が疲れるのは、とても自然な反応です。疲労が蓄積すると、普段なら受け流せることでも受け止めきれなくなります。これは性格の問題ではなく、体の反応です。
「つらい」を見える化すると、少し扱いやすくなる
感情は、漠然としているほど重く感じます。そこでおすすめなのが、つらさを簡単に言語化することです。
例)
- 「飲まないことがつらい」
- 「泣き声がつらい」
- 「量が足りないかもがつらい」
- 「寝られないのがつらい」
- 「一人で抱えてる感じがつらい」
1つに絞れると、対策も1つに絞れます。
たとえば「寝られない」が主なら、夜の分担や休める時間の確保を優先。「量が不安」が主なら、平均や成長曲線の見方を固定化する、などです。
一人で抱え込まない工夫(伝え方テンプレ)
授乳のつらさは、言葉にしないほど重くなりやすいものです。
「飲まなくて困っている」だけでなく、「毎回しんどい」「正直つらい」という気持ちも、共有していいものです。
パートナーに伝えるときは、責める形ではなく“お願いの形”にすると伝わりやすいです。
- 「今、授乳のたびに気持ちが削れてる。夜の1回だけでも交代してほしい」
- 「飲まないときに私が焦るから、横で落ち着かせ役をお願いしたい」
- 「授乳後に5分だけ休む時間を作りたい。抱っこお願いできる?」
もし夜の負担が大きいなら、夜のしんどさのケアとして
夜間授乳がつらい…夜のストレスケアも参考にしてください。
セルフチェック:今のあなたはどのタイプのしんどさ?
しんどさの正体が分かると、やることが絞れて楽になります。次のうち近いものにチェックしてみてください(複数OKです)。
- □ 授乳のたびに「今回もダメかも」と緊張する
- □ 飲む量・時間を考えすぎて頭が休まらない
- □ 泣き声で心がざわざわして落ち着かない
- □ 授乳前から憂うつで逃げたくなる
- □ 夜が怖い/眠れないことが一番つらい
- □ 「自分のせい」と思ってしまう
| 主なしんどさ | 優先して試すこと(1つでOK) |
|---|---|
| 緊張が強い | 授乳前30秒の呼吸+肩を落とす(習慣化) |
| 数字が不安 | “1回量”ではなく“24時間の流れ”で見るルールを固定 |
| 泣き声がつらい | 耳栓・イヤホン(安全に配慮しつつ)+交代制を導入 |
| 憂うつが強い | 授乳を短く区切り、途中でリセットしてOKにする |
| 夜が一番つらい | 夜のどこか1回だけでも分担・固定(休める時間を確保) |
| 自責が強い | 「原因は親ではない」記事を手元に置き、読み返し回数を減らす |
こんなときは、早めに「相談」を選んでいい
授乳がつらいのはよくあることですが、次のような状態が続く場合は、心身の負荷が強くなっているサインかもしれません。
我慢しすぎず、早めに相談先を確保してください。
- 眠れない日が続き、日中の生活が回らない
- 涙が出る、食欲が落ちる、気力が出ない日が増えている
- 授乳のたびに動悸や息苦しさがある
- 赤ちゃんへの関わりが怖くなる(距離を取りたくなる)
- 「自分がいないほうがいい」と感じることがある
相談の目安は、育児の不安が止まらない…産後メンタル不調と受診の目安も参考になります。
よくあるQ&A(授乳が作業に感じるとき)
Q1. 赤ちゃんがかわいいと思えない瞬間がある。大丈夫?
大丈夫です。疲労が強いときは、感情がフラットになったり、余裕がなくなったりします。
“かわいいと思えない”は愛情がないのではなく、回復が必要なサインであることが多いです。まずは休む工夫(5分でも)を優先してください。
Q2. 授乳が怖くて、時間が近づくと憂うつになる
うまくいかない体験が続くと、予期不安が出るのは自然です。
できれば「授乳=一発勝負」にせず、短く区切る/途中で切り上げるルールを作ってみてください。
「怖い」は心が守りに入っているサインなので、責めなくて大丈夫です。
Q3. ミルク拒否・哺乳瓶拒否があると、親のメンタルは本当に削られる…
削られます。だからこそ、あなたの感覚は正常です。
拒否の背景の整理や対策は、必要なところだけ拾える形で置いておくと安心です。
例:ミルク拒否の原因一覧
【医療者コメント】精神科医師・産婦人科看護師より🌸
授乳がつらいと感じる方の多くは、とても一生懸命育児に向き合っています。「作業のように感じてしまう」のは、疲労や緊張が限界に近づいているサインでもあります。授乳への強いしんどさや予期不安が続く場合、心と体の回復が追いついていない状態が考えられます。これは性格や努力不足の問題ではなく、環境や負荷による反応です。
つらさが長引くときは、早めに周囲のサポートや専門家の力を借りることも大切です。あなたが少し休めることは、赤ちゃんにとっても大きなプラスになります。
育児に取り組むパパ・ママへ🌼
毎回の授乳がつらいと感じながらも、ここまで読んでいるあなたは、十分に頑張っています。完璧でなくていい。今日を一日乗り切ったこと自体が、立派な育児です。
この記事が役に立ったら、他の記事も参考にしてみてくださいね。
👉 目次:
ミルク拒否ガイド【保存版】|原因・対策・哺乳瓶選び・月齢別サポートまとめ
🩺この記事の執筆・監修者
📌 執筆者:
元産婦人科看護師|第一子育児中の母
産前・産後ママたちを数多くサポート。看護師&育児経験を活かし当ブログの執筆・運営を担当🌸
📌 医療監修:
医師|第一子育児中の父
発達特性やメンタルヘルス領域が専門🌻
医学的な正確性・安全性(受診目安や表現の適切性)の確認を中心に当ブログを監修🌼
※個別の診断・治療を提供するものではありません。必要に応じて医療機関へご相談ください。



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